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ブレーキの異音を完全解説! 音別の原因と今すぐできる対策

 

ブレーキの異音を完全解説!
音別の原因と今すぐできる対策

キーキー音からゴーゴー音まで、あなたのブレーキの異音を徹底診断

車を運転していて、ブレーキを踏んだときに「キーッ」という甲高い音や「ゴーッ」という低い音が聞こえてきたら、不安になりますよね。私も初めてブレーキから異音がしたときは、「このまま走り続けて大丈夫なのか」「修理にいくらかかるのか」と心配で仕方ありませんでした。

ブレーキの異音は、車が私たちに送る重要なサインです。中には単なる水濡れや摩耗による軽微なものもありますが、放置すると重大な事故につながる危険な症状もあります。だからこそ、どんな音がどんな原因で発生しているのかを知ることが、安全運転の第一歩なのです。

この記事では、ブレーキから聞こえるさまざまな異音について、音の種類別に詳しく解説していきます。整備士の方々への取材や自動車メーカーの技術資料をもとに、できるだけ正確で実用的な情報をお届けします。専門用語はできるだけわかりやすく説明しますので、車に詳しくない方でも安心して読み進めてください。

この記事で分かること

この記事を読むことで、以下のことが理解できるようになります。

ブレーキから発生する異音の種類とそれぞれの特徴について、具体的に知ることができます。「キーキー音」「ゴーゴー音」「カタカタ音」など、実際に耳にする音ごとに、どのような状態で発生するのかを詳しく解説します。

それぞれの異音が発生する原因とメカニズムについて、ブレーキの構造と関連づけて理解できます。ブレーキパッドの摩耗、ディスクローターの錆や変形、キャリパーの不具合など、部品ごとの問題点を明確にします。

異音が聞こえたときにドライバー自身ができる簡単なチェック方法と、すぐに専門家に相談すべき危険な症状の見分け方が分かります。自分で対処できることと、プロに任せるべきことの境界線を明確にします。

修理や対策にかかる費用の目安と、修理工場を選ぶときのポイントについても触れていきます。ただし、車種や部品の種類、地域によって費用は大きく変わるため、あくまで参考程度の情報としてお考えください。

ブレーキの基本構造を理解しよう

異音の原因を理解するには、まずブレーキがどのような仕組みで働いているのかを知ることが大切です。現在の乗用車のほとんどは「ディスクブレーキ」を採用しています。

ディスクブレーキは、タイヤと一緒に回転する円盤状の「ディスクローター」を、両側から「ブレーキパッド」で挟み込むことで摩擦を生み出し、車を減速させる仕組みです。この挟み込む動作を行うのが「キャリパー」と呼ばれる部品で、ブレーキペダルを踏むと油圧によってピストンが押し出され、ブレーキパッドがディスクローターに押し付けられます。

ブレーキパッドは摩擦材でできており、使用するたびに少しずつ摩耗していきます。新品のブレーキパッドは厚さが10ミリ程度ありますが、使い続けることで徐々に薄くなっていきます。一般的に、残りの厚さが2〜3ミリ程度になったら交換時期とされています。

ディスクローターは鉄製で、ブレーキパッドとの摩擦によって熱を発散させる役割も担っています。雨に濡れると錆が発生することがありますが、軽い錆であればブレーキを数回使用することで自然に取れることがほとんどです。

これらの部品が正常に機能しているときは、ブレーキは静かに作動します。しかし、部品の摩耗や損傷、異物の混入などによって、さまざまな異音が発生するようになるのです。

写真AC 引用

キーキー音・キーッという高音の異音

ブレーキから発生する異音の中で最も多く報告されるのが、「キーキー」「キーッ」という甲高い音です。この音は金属同士が擦れ合うときに発生する摩擦音の一種で、多くの場合、ブレーキパッドとディスクローターの接触状態に問題があることを示しています。

ブレーキパッドの摩耗による音

最も一般的な原因は、ブレーキパッドの摩耗です。ブレーキパッドには「ウェアインジケーター」と呼ばれる金属製の部品が組み込まれています。これは摩耗警告装置で、ブレーキパッドが一定の厚さまで減ると、この金属部分がディスクローターに接触して意図的に異音を発生させる仕組みです。

つまり、キーキー音は「そろそろブレーキパッドを交換する時期ですよ」という車からのメッセージなのです。この段階で適切に対処すれば、安全性を保ちながら快適に運転を続けることができます。

ブレーキパッドの交換時期は、走行距離や運転の仕方によって大きく異なります。一般的には3万キロから5万キロ程度が目安とされていますが、山道を頻繁に走る方や、急ブレーキを多用する運転スタイルの方は、もっと早く摩耗することがあります。逆に、高速道路を中心にゆったりとした運転をする方は、もっと長持ちすることもあります。

低品質なブレーキパッドや互換品の影響

ブレーキパッドを交換したばかりなのにキーキー音が発生する場合、使用しているブレーキパッドの品質に問題がある可能性があります。ブレーキパッドは、摩擦材の配合によって性能や音の発生具合が変わります。

純正部品は、その車種に最適化された摩擦材の配合で作られているため、異音が出にくく設計されています。一方、社外品や互換品の中には、コストを抑えるために材料の配合を変えているものもあり、それが異音の原因になることがあります。

ただし、社外品すべてが悪いわけではありません。信頼できるメーカーの製品であれば、純正品と同等かそれ以上の性能を持つものも多くあります。重要なのは、実績のあるメーカーの製品を選び、できれば専門の整備士に相談しながら選定することです。

表面の汚れや異物の付着

ブレーキパッドやディスクローターの表面に、砂や小石、金属片などの異物が付着していると、キーキー音が発生することがあります。特に、未舗装路を走行した後や、工事現場の近くを通った後などは、細かい砂埃がブレーキ部分に入り込むことがあります。

この場合、何度かブレーキを使用することで異物が取れ、音が止まることもあります。しかし、音が続く場合は、異物がブレーキパッドやディスクローターの表面を傷つけている可能性があるため、点検を受けることをお勧めします。

雨の日や朝一番の使用時の音

朝一番の運転や、雨の日にブレーキを踏むと一時的にキーキー音がすることがあります。これは、ディスクローターの表面に薄い錆の膜ができているためです。

鉄製のディスクローターは、空気中の水分に触れるだけで表面が酸化し、薄い錆の層ができます。特に雨の日や湿度の高い日は、この現象が顕著になります。しかし、この錆は非常に薄いもので、ブレーキを数回使用することで自然に削り取られ、音も消えることがほとんどです。

朝の最初の数回だけキーキー音がして、その後は音がしなくなるのであれば、これは正常な現象であり、特に心配する必要はありません。ただし、いつまでも音が続く場合は、別の原因がある可能性があります。

温度変化による音

ブレーキは使用すると熱を持ちます。特に長い下り坂や高速道路からの減速時など、ブレーキを連続して使用すると、ディスクローターの温度は数百度まで上昇することがあります。

この熱によってブレーキパッドやディスクローターが膨張し、わずかに形状が変わることで、一時的にキーキー音が発生することがあります。通常、ブレーキが冷えれば音も収まりますが、頻繁に高温になるような使い方を続けると、部品の劣化を早める原因になります。

山道を下るときなどは、エンジンブレーキを積極的に使用し、フットブレーキへの負担を減らすことが大切です。オートマチック車であれば、ギアをDレンジから2レンジやLレンジに切り替えることで、エンジンブレーキを効かせることができます。

キャリパーカバーと塗装に関する記事です。参考にどうぞ!

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ゴーゴー音・ゴォーという低音の異音

キーキー音とは対照的に、「ゴーゴー」「ゴォー」という低く唸るような音が聞こえることもあります。この音は、ブレーキの構造的な問題や、より深刻な損傷を示していることが多く、注意が必要です。

ディスクローターの変形や摩耗

ディスクローターは、理想的には完全に平らな円盤状であるべきですが、長年の使用や過度な熱によって、わずかに歪んだり、表面に凹凸ができたりすることがあります。これを「ディスクローターの振れ」や「段差摩耗」と呼びます。

ディスクローターに振れがあると、回転するたびにブレーキパッドとの接触状態が変化し、ゴーゴーという音が発生します。また、ブレーキペダルを踏んだときに、ペダルから手に伝わる振動を感じることもあります。これを「ブレーキの引きずり感」や「ジャダー」と呼びます。

ディスクローターの変形は、急激な温度変化によって引き起こされることがあります。たとえば、高温になったブレーキに水がかかると、急激に冷却されて金属が歪むことがあります。洗車の際に、まだブレーキが熱いうちに水をかけることは避けた方が良いでしょう。

ディスクローターの錆による凹凸

ディスクローターの錆がひどくなると、表面に凹凸ができ、ゴーゴー音の原因になることがあります。特に、車を長期間使用しなかった場合、ディスクローターの表面に厚い錆が形成されることがあります。

軽い表面の錆であれば、前述のとおりブレーキを使用することで自然に取れますが、深く錆びてしまった場合は、表面を研磨するか、ディスクローター自体を交換する必要があります。

長期間車を使わない予定がある場合は、できれば月に一度程度、短距離でも良いので走行し、ブレーキを使用することで錆の進行を防ぐことができます。

ベアリングの損傷

ゴーゴー音の原因がブレーキではなく、ホイールベアリングの損傷である可能性もあります。ホイールベアリングは、車輪がスムーズに回転するための部品で、これが損傷すると走行中に継続的にゴーゴーという音が発生します。

ホイールベアリングの損傷による音は、ブレーキを踏んでいないときにも聞こえることが特徴です。また、カーブを曲がるときに音が大きくなったり小さくなったりすることもあります。ハンドルを切ったときに音の大きさが変わる場合は、ホイールベアリングの問題である可能性が高いでしょう。

ホイールベアリングの損傷は、そのまま放置すると車輪が外れるなどの重大な事故につながる危険性があります。ゴーゴー音が聞こえたら、早めに専門家に点検してもらうことが重要です。

写真AC 引用

カタカタ音・ガタガタ音

「カタカタ」「ガタガタ」という音は、部品の緩みや固定不良を示していることが多く、比較的早急に対処が必要な症状です。

ブレーキパッドの固定不良

ブレーキパッドは、キャリパーにしっかりと固定されている必要がありますが、固定部品の摩耗や取り付け不良によって、わずかにガタつくことがあります。この状態でブレーキを使用すると、カタカタという音が発生します。

特に、ブレーキパッドを交換したばかりでこの音が発生する場合は、取り付け作業に問題があった可能性があります。ブレーキパッドを固定するためのシムやスプリングが正しく装着されていないと、このような症状が出ることがあります。

キャリパーのピストンやスライドピンの問題

ブレーキキャリパーには、ブレーキパッドを押し出すピストンと、キャリパー本体がスムーズに動くためのスライドピンという部品があります。これらが錆びたり、潤滑不足になったりすると、動きが悪くなり、カタカタ音が発生することがあります。

スライドピンの動きが悪くなると、ブレーキの効きが左右で不均等になり、車が片方に引っ張られるような感覚を覚えることもあります。これは安全運転に支障をきたす可能性があるため、早めの点検が必要です。

ブレーキ関連部品の緩み

ブレーキキャリパーを固定しているボルトや、ディスクローターを固定しているボルトなどが緩むと、ガタガタという音が発生することがあります。これらの部品が緩んだ状態で走行を続けると、最悪の場合、部品が脱落して重大な事故につながる危険性があります。

定期的な点検やメンテナンスの際に、これらのボルトの締め付けトルクを確認してもらうことが大切です。特に、タイヤ交換やブレーキ関連の作業を行った後は、走行後に再度締め付けを確認することが推奨されます。

ギーッという金属音

「ギーッ」という鋭い金属音は、ブレーキの中でも特に深刻な状態を示している可能性があります。この音が聞こえたら、できるだけ早く専門家に相談することをお勧めします。

ブレーキパッドの完全摩耗

ブレーキパッドが完全に摩耗し、摩擦材がなくなってしまうと、金属の台座部分がディスクローターに直接接触することになります。この状態になると、ギーッという非常に不快な金属音が発生します。

⚠️ 危険な状態です

この状態は極めて危険です。ブレーキの効きが著しく悪くなるだけでなく、ディスクローターも急速に損傷します。ディスクローターに深い溝ができてしまうと、ブレーキパッドだけでなくディスクローターも交換しなければならず、修理費用が大幅に増加します。

ウェアインジケーターによるキーキー音の段階で適切に対処していれば、このような事態は避けられます。異音を無視せず、早めに対処することの重要性がよく分かる例です。

ディスクローターの深い損傷

ディスクローターに深い傷や溝ができている場合も、ギーッという音が発生することがあります。これは、異物がブレーキパッドとディスクローターの間に挟まったまま走行を続けたり、摩耗したブレーキパッドを長期間使い続けたりすることで起こります。

損傷したディスクローターは研磨によって表面を整えることもできますが、溝が深い場合は研磨しても十分な厚さが確保できず、交換が必要になります。ディスクローターには最低厚さの基準があり、これを下回ると安全性が確保できなくなるためです。

シャーシャーという擦れる音

「シャーシャー」という、何かが擦れるような継続的な音が聞こえることもあります。この音は、ブレーキパッドとディスクローターが常に接触している状態、つまり「引きずり」が発生していることを示している可能性があります。

ブレーキの引きずり

正常な状態では、ブレーキペダルから足を離すと、ブレーキパッドはディスクローターからわずかに離れ、摩擦が解除されます。しかし、何らかの原因でブレーキパッドがディスクローターに軽く接触したままになることがあります。これが「ブレーキの引きずり」です。

引きずりが発生すると、走行中も常に摩擦が発生し続けるため、燃費の悪化やブレーキ部品の過度な摩耗、熱による変形などの問題が起こります。また、ディスクローターが異常に熱くなり、最悪の場合、ブレーキ液が沸騰して気泡が発生し、ブレーキが効かなくなる「ベーパーロック現象」を引き起こす危険性もあります。

引きずりの原因としては、キャリパーのピストンが固着して戻らなくなっていたり、ブレーキホースが内部で劣化して油圧が抜けなくなっていたりすることが考えられます。また、サイドブレーキ(パーキングブレーキ)のワイヤーが固着して、完全に解除されていない可能性もあります。

引きずりが疑われる場合は、走行後にホイールを手で触ってみて(火傷に注意)、異常に熱くなっていないか確認することもできます。他のホイールと比べて明らかに熱い場合は、そのホイールのブレーキに問題がある可能性が高いでしょう。

ブレーキダストの蓄積

ブレーキダストとは、ブレーキパッドとディスクローターが摩擦することで発生する微細な粉末です。この粉末がブレーキパッドとディスクローターの間に蓄積すると、シャーシャーという音が発生することがあります。

特に、ブレーキダストの発生量が多いタイプのブレーキパッドを使用している場合や、洗車の頻度が少なくてホイール周りの清掃をあまりしていない場合に、この症状が出やすくなります。

定期的にホイールを外してブレーキ周りを清掃することで、この問題を予防することができます。ただし、ブレーキ部品の清掃には専用のクリーナーを使用し、油分が付着しないように注意する必要があります。油分が付着すると、かえってブレーキの効きが悪くなる危険性があります。

写真AC 引用

プシューという空気漏れのような音

「プシュー」という音は、他の異音とは性質が異なり、主にブレーキの油圧システムや補助装置に関連しています。

ブレーキブースターの問題

多くの車には、ブレーキペダルを踏む力を増幅する「ブレーキブースター」という装置が付いています。これはエンジンの吸気の負圧を利用して作動する仕組みで、この部分に不具合があるとプシューという空気漏れのような音が発生することがあります。

ブレーキブースターの中にあるダイアフラムという部品が破損したり、バキュームホースに亀裂が入ったりすると、空気が漏れてプシューという音がします。この状態では、ブレーキペダルが重くなり、通常よりも強い力で踏まなければならなくなります。

ブレーキブースターの不具合は、ブレーキの効きに直接影響するため、この音が聞こえたらすぐに点検を受けるべきです。特に、ブレーキペダルが急に重くなったと感じたら、安全な場所に停車して専門家に連絡することをお勧めします。

ABS作動時の音

ABSとは「アンチロック・ブレーキ・システム」の略で、急ブレーキ時にタイヤがロックするのを防ぎ、ハンドル操作を可能にする安全装置です。ABSが作動すると、「ガガガガ」「ブブブブ」というような振動音と、プシューという音が組み合わさって聞こえることがあります。

これは異常ではなく、ABSが正常に作動している証拠です。滑りやすい路面で急ブレーキをかけたときなどに体験することがあるでしょう。ブレーキペダルからも振動が伝わってきますが、これも正常な動作です。

ただし、通常の走行中や緩やかなブレーキング時にABSが作動する場合は、センサーの誤作動やシステムの不具合が考えられます。ダッシュボードにABSの警告灯が点灯している場合は、点検が必要です。

 ABSの詳しい説明です。参考にどうぞ!

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異音が聞こえたときの対処法

ブレーキから異音が聞こえたとき、どのように対処すべきかを知っておくことは大切です。ただし、ここで紹介する内容は一般的な指針であり、最終的には専門家の判断を仰ぐことが最も安全です。

すぐに点検が必要な危険な症状

以下のような症状が見られる場合は、できるだけ早く専門家に点検してもらう必要があります。可能であれば、車の使用を控え、整備工場まで運転する場合も慎重に、低速で移動することをお勧めします。

⚠️ すぐに点検が必要な症状

ブレーキペダルを踏んでも効きが悪く、停止距離が明らかに長くなっている場合は、ブレーキシステムに重大な問題がある可能性があります。ブレーキパッドの完全摩耗、ブレーキ液の漏れ、キャリパーの固着など、さまざまな原因が考えられます。

ブレーキペダルが床まで沈み込んでしまう、あるいは逆に異常に硬くなって踏み込めない場合も、すぐに専門家に相談すべき症状です。前者はブレーキ液の漏れや空気の混入、後者はブレーキブースターの不具合などが考えられます。

金属同士が激しく擦れ合うような大きなギーッという音が常に発生している場合は、ブレーキパッドが完全に摩耗してディスクローターが損傷している可能性が高いです。この状態で走り続けると、ブレーキが全く効かなくなる危険性があります。

ブレーキペダルを踏んだときに、ペダルから異常な振動が伝わってきたり、車体全体が揺れたりする場合も、ディスクローターの変形やブレーキシステムの不具合が考えられます。

ダッシュボードにブレーキ警告灯やABS警告灯が点灯している場合は、システムが何らかの異常を検知しています。警告灯を無視して走行を続けることは非常に危険です。

自分でできる簡単なチェック

専門的な点検は整備士に任せるべきですが、日常的に自分でできる簡単なチェックもあります。

目視での確認として、ホイールの隙間からブレーキパッドの厚さを確認することができます。ブレーキパッドが極端に薄くなっていないか、左右で厚さが大きく違っていないかを見てみましょう。ただし、正確な測定は専門工具が必要なので、あくまで参考程度の確認です。

ディスクローターの表面に深い溝や亀裂がないか、また錆がひどくないかも目視で確認できます。表面が鏡のようにツルツルで光っているのは正常な状態です。

走行後(十分に冷えてから)、各ホイールを手で触ってみて、温度に大きな差がないか確認することもできます。一つだけ極端に熱い場合は、そのブレーキに引きずりが発生している可能性があります。ただし、火傷には十分注意してください。

ブレーキペダルの感触にも注意を払いましょう。いつもと違う感じがしたり、踏み込む深さが変わったりしていないか、日頃から意識することが大切です。

応急処置は避けるべき

ブレーキは安全に直結する重要な部品です。異音が聞こえたときに、自分で分解したり調整したりすることは、専門的な知識と技術、適切な工具がない限り避けるべきです。

インターネット上には様々な情報がありますが、ブレーキに関しては、誤った方法で作業を行うと命に関わる事故につながる可能性があります。特に、ブレーキ液の扱いや、油圧システムのエア抜き作業などは、専門家に任せるべき作業です。

また、異音がするからといって、ブレーキパッドやディスクローターに潤滑剤を塗布するなどの行為は絶対に避けてください。これはブレーキの効きを著しく低下させ、極めて危険です。

点検・修理の費用について

ブレーキの点検や修理にかかる費用は、車種、使用している部品の種類、損傷の程度、修理工場によって大きく異なります。そのため、ここで示す金額はあくまで一般的な目安として参考にしてください。

修理費用の目安

ブレーキパッド交換: 前輪または後輪の片側で1万5千円から3万円程度(部品代と工賃込み)。輸入車や高性能車、大型車などの場合は、これよりも高額になることがあります。

ディスクローター交換: 左右セットで3万円から6万円程度。ブレーキパッドとディスクローターを同時に交換する場合は、合計で4万円から8万円程度が目安です。

キャリパー修理・交換: オーバーホール(分解清掃と部品交換)で2万円から4万円程度。キャリパー本体の交換となると、1輪あたり3万円から8万円程度かかることもあります。

ブレーキ液交換: 4千円から8千円程度。通常、車検時または2年に一度程度の交換が推奨されています。

これらの費用には地域差もあり、都市部と地方では工賃が異なることもあります。また、ディーラーと民間整備工場でも価格が変わることがあります。ディーラーは純正部品を使用し、メーカーの基準に沿った作業を行うため、やや高めの設定になることが多いですが、アフターサービスや保証の面で安心感があります。一方、民間整備工場は価格競争力があり、柔軟な対応が期待できることが多いでしょう。

 

修理工場の選び方

ブレーキの修理は、信頼できる工場に依頼することが大切です。いくつかのポイントを押さえておくと、良い工場を選ぶ参考になります。

まず、整備士の資格を確認することです。自動車整備士には国家資格があり、1級、2級、3級に分かれています。ブレーキの修理には専門的な知識が必要なので、2級以上の整備士がいる工場を選ぶと安心です。工場によっては、整備士の資格を掲示しているところもあります。

次に、説明が丁寧かどうかも重要なポイントです。良い整備工場は、症状の原因、必要な修理内容、費用の見積もりなどを、専門用語をできるだけ使わずに分かりやすく説明してくれます。逆に、質問に対して曖昧な回答しかしない、または高圧的な態度を取る工場は避けた方が良いでしょう。

見積もりは、できれば複数の工場から取ることをお勧めします。ただし、最も安い工場が必ずしも最良とは限りません。使用する部品の品質や、作業内容の詳細を確認し、総合的に判断することが大切です。

また、実際に工場を訪れて、設備や清潔さを確認することも有効です。整理整頓されており、適切な工具や機器が揃っている工場は、丁寧な作業が期待できます。

可能であれば、知人や家族からの紹介も信頼性の高い情報源になります。実際にサービスを受けた人の体験談は、インターネットのレビューよりも具体的で参考になることが多いでしょう。

写真AC 引用

異音を防ぐための予防策

ブレーキの異音を完全に防ぐことは難しいですが、適切なメンテナンスと運転習慣によって、問題の発生を遅らせたり、早期に発見したりすることができます。

定期的な点検の重要性

最も基本的で効果的な予防策は、定期的な点検です。車検時だけでなく、半年に一度程度はブレーキの状態を点検してもらうことをお勧めします。多くの整備工場では、オイル交換などの際に、無料または低料金でブレーキの簡易点検を行ってくれることもあります。

定期点検では、ブレーキパッドの残量、ディスクローターの状態、ブレーキ液の量と汚れ具合、各部のボルトの緩みなどを確認してもらえます。問題を早期に発見できれば、大きな修理になる前に対処でき、結果的に費用も抑えられます。

適切な運転習慣

日々の運転習慣も、ブレーキの寿命に大きく影響します。急ブレーキを避け、十分な車間距離を保つことで、ブレーキへの負担を減らすことができます。特に、信号が変わりそうなときや、前方の車が減速し始めたときに早めにアクセルを緩め、エンジンブレーキを使うことを意識すると良いでしょう。

長い下り坂では、前述のとおりエンジンブレーキを積極的に使用することが重要です。フットブレーキだけに頼ると、ブレーキが過熱して効きが悪くなる「フェード現象」が起こる危険性があります。

また、水たまりを通過した後は、ブレーキが濡れて一時的に効きが悪くなることがあります。安全な場所で軽くブレーキを数回踏んで、水分を飛ばすことで、通常の制動力を回復できます。

適切な部品の選択

ブレーキパッドやディスクローターを交換する際は、できるだけ純正部品か、信頼できるメーカーの高品質な部品を選ぶことをお勧めします。価格だけで判断して極端に安い部品を選ぶと、異音が発生しやすかったり、寿命が短かったりすることがあります。

ブレーキパッドには、材質によっていくつかの種類があります。一般的な乗用車では「ノンアスベスト有機材」や「セミメタリック材」が使われることが多く、それぞれに特性があります。整備士に相談しながら、自分の運転スタイルや車の使い方に合った部品を選ぶと良いでしょう。

長期間使用しない場合の対策

車を長期間使用しない予定がある場合は、できれば月に一度程度、短時間でも走行することをお勧めします。これにより、ブレーキの錆を防ぎ、各部の固着を予防することができます。

もし長期間の不使用が避けられない場合は、保管前に専門家に相談し、適切な保管方法についてアドバイスを受けると良いでしょう。屋内保管できる場合は、湿気の少ない環境を選ぶことで、錆の発生を抑えることができます。

季節や天候による影響

ブレーキの状態や異音の発生は、季節や天候によっても変化することがあります。これらの影響を知っておくことで、不必要な心配を避けたり、逆に注意が必要な状況を認識したりすることができます。

梅雨や雨の日

梅雨時や雨の日は、ディスクローターに錆が発生しやすくなります。前述のとおり、朝一番の使用時にキーキー音がすることがありますが、これは多くの場合、数回のブレーキ使用で解消します。

ただし、雨天時はブレーキの効きが若干低下することがあるため、通常よりも早めのブレーキングを心がけることが大切です。また、深い水たまりを通過した後は、ブレーキディスクが濡れているため、安全を確認してから軽くブレーキを踏んで水分を飛ばすようにしましょう。

冬季や寒冷地

冬季や寒冷地では、ブレーキ部品が冷えて収縮するため、わずかな隙間ができて一時的に音が発生することがあります。また、融雪剤に含まれる塩分がブレーキ部品に付着すると、錆の進行を早める原因になります。

寒冷地を走行した後は、できれば下回りの洗浄を行い、塩分を洗い流すことが推奨されます。多くのガソリンスタンドやカーウォッシュでは、下回り洗浄のサービスを提供しています。

夏季や高温時

夏季の高温時や、長時間のドライブでブレーキを多用した場合、ブレーキが高温になり、一時的に異音が発生することがあります。これは熱膨張による正常な現象であることが多いですが、頻繁に起こる場合は、ブレーキ液の沸点が低下していたり、ブレーキパッドの材質が適していなかったりする可能性があります。

夏場の長距離ドライブの前には、ブレーキ液の状態を点検してもらうことをお勧めします。ブレーキ液は使用するうちに吸湿性があるため水分を含み、沸点が低下していきます。定期的な交換が安全のために重要です。

最新のブレーキ技術と異音

最近の車には、さまざまな先進的なブレーキ技術が搭載されています。これらの技術によって、異音の特性や対処方法が従来と異なる場合があります。

電動パーキングブレーキ

最近の車には、従来のレバー式やペダル式に代わって、電動パーキングブレーキが採用されていることが増えています。これはモーターでブレーキを作動させる仕組みで、作動時に「ウィーン」というモーター音が聞こえることがあります。これは正常な動作音です。

ただし、電動パーキングブレーキに異常が発生すると、警告灯が点灯したり、通常とは異なる音が発生したりすることがあります。この場合は、取扱説明書を確認するか、ディーラーに相談することをお勧めします。

写真AC 引用

回生ブレーキシステム

ハイブリッド車や電気自動車には、回生ブレーキという仕組みが搭載されています。これは、ブレーキング時のエネルギーを電気に変換してバッテリーに蓄える技術です。

回生ブレーキが作動しているときは、通常のブレーキとは異なる感触や、わずかな作動音がすることがあります。これは異常ではありませんが、もし従来とは明らかに異なる音や振動が発生した場合は、ディーラーや専門の整備工場に相談することをお勧めします。

ハイブリッド車や電気自動車のブレーキシステムは、従来のガソリン車とは構造が異なる部分があるため、専門的な知識を持った整備士に点検してもらうことが重要です。

自動ブレーキシステム

衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)が作動すると、ドライバーの意図しないタイミングで急激にブレーキがかかることがあります。このとき、通常のブレーキングでは聞かない音が発生することがありますが、これはシステムが正常に作動している証拠です。

ただし、頻繁に誤作動するような場合は、センサーの汚れや故障が考えられます。フロントグリルやバンパー周辺にあるセンサーを清潔に保つことで、誤作動を減らすことができます。

自動ブレーキの仕組みや誤作動の原因についての記事です。参考にどうぞ!

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まとめ

ブレーキから発生する異音は、車が私たちに送る重要なメッセージです。キーキー音、ゴーゴー音、カタカタ音、ギーッという金属音など、音の種類によって原因や緊急度が異なります。

軽微な表面の錆による一時的な音から、ブレーキパッドの完全摩耗やキャリパーの固着といった緊急性の高い問題まで、さまざまな可能性があることをご理解いただけたと思います。

大切なのは、異音を無視せず、早めに専門家に相談することです。小さな問題のうちに対処すれば、費用も抑えられ、安全性も確保できます。逆に、放置してしまうと、修理費用が高額になるだけでなく、重大な事故につながる危険性もあります。

日頃から定期的な点検を受け、適切な運転習慣を心がけることで、ブレーキの寿命を延ばし、異音の発生を予防することができます。また、異音が発生した場合の危険度を判断する知識を持つことで、適切なタイミングで専門家に相談できるようになります。

この記事が、あなたの安全で快適なカーライフの一助となれば幸いです。ブレーキに関して少しでも不安を感じたら、遠慮せずに信頼できる整備工場やディーラーに相談してください。あなたと大切な人の安全のために、ブレーキは常に最良の状態を保つことが重要です。

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