Car Watchのデータ(2025年4月〜9月)に基づき、普通車・軽自動車の売れ筋ランキングを解説。さらに市場動向の考察も加えて、購入者や業界関係者に役立つ情報を提供します。
データについて
本ランキングは、日本自動車販売協会連合会(JADA)および全国軽自動車協会連合会(全軽自協)の集計を基にしたCar Watch掲載データです。販売台数は2025年4月〜9月を対象にしています。
普通車ランキング TOP10(4〜9月)
| 順位 | 車名 | 販売台数(台) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1 | ヤリス | 75,349 | 103.1% |
| 2 | カローラ | 62,852 | 81.6% |
| 3 | ライズ | 50,111 | 194% |
| 4 | ルーミー | 48,712 | 113.6% |
| 5 | シエンタ | 46,816 | 79.8% |
| 6 | フリード | 41,235 | 101.5% |
| 7 | アルファード | 39,849 | 102.7% |
| 8 | ヴォクシー | 39,050 | 111.1% |
| 9 | ノア | 38,434 | 112.2% |
| 10 | ノート | 37,070 | 76.7% |
出典:Car Watch(2025年4月〜9月)
軽自動車ランキング TOP10(4〜9月)
| 順位 | 車名 | 販売台数(台) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 1 | N-BOX | 97,958 | 95.8% |
| 2 | スペーシア | 79,805 | 99.5% |
| 3 | ムーヴ | 60,513 | 337.1% |
| 4 | タント | 55,165 | 101.8% |
| 5 | ハスラー | 43,346 | 100.6% |
| 6 | ワゴンR | 36,390 | 93.4% |
| 7 | アルト | 29,504 | 88.0% |
| 8 | ルークス | 29,433 | 93.3% |
| 9 | デリカミニ/eK | 28,916 | 107.6% |
| 10 | ミラ | 26,163 | 114.2% |
出典:Car Watch(2025年4月〜9月)
考察:2025年上半期ランキングから見える市場の傾向
1. トヨタのブランド力とラインナップ戦略
普通車TOP10の上位にヤリス、カローラ、ライズ、シエンタ、ルーミーが占めることから、トヨタは「多用途」「燃費性能」「ハイブリッド対応」「信頼性」を武器に幅広い層を獲得していることが明らかです。特に都市部やファミリー層への対応が強く、販売台数に直結しています。
2. 軽自動車市場は「利便性・室内空間重視」
N-BOX、スペーシア、タントといったスーパーハイトワゴンが上位を占め、軽自動車の支持理由は「日常使いの便利さ」「広い室内」「乗降のしやすさ」が中心です。特にN-BOXは法人・個人ともに需要が高く、安定したトップ販売を維持しています。
3. 急伸モデルは供給・改良が鍵
ムーヴ(+337.1%)、ライズ(+194%)など、前年比大幅増モデルは供給改善やモデル刷新の影響が大きい。これは短期的な反動要因である可能性が高く、長期的な市場トレンドとは区別する必要があります。
4. 電動化の浸透は段階的
ノートe-POWERやeK系EVなど、電動技術搭載車は一定の存在感を示しています。都市部の燃費・環境意識の高いユーザーが中心で、純EVはまだ限定的ですが、今後インフラ整備次第で市場拡大が期待されます。
5. 購入者視点の示唆
- 日常の足にはコンパクトカー(ヤリス、ムーヴなど)や軽自動車がバランス良い。
- ファミリー用途はシエンタ、フリード、タントなど室内空間重視の車種が有効。
- 将来的な電動車移行を意識するなら、ハイブリッド搭載モデルやEV派生車の選択が早めに検討すべき。
まとめ
2025年上半期の新車ランキングは、トヨタの圧倒的なブランド力と幅広いラインナップ、軽自動車の利便性重視トレンドが如実に表れました。急伸モデルは供給・改良の影響が大きく、電動化も徐々に浸透しています。購入者は用途・維持コスト・将来の電動化を考慮し、適切なモデルを選択することが推奨されます。