
電動サイドブレーキ(EPB)は、ボタンひとつで車を確実に止められる便利な装置です。しかし、使い方や仕組みを知らないまま乗ると、不安やトラブルの原因になることもあります。この記事では、EPBの基本構造からディスク式・ドラム式の違い、オートモードと手動モードの使い分け、操作トラブルの具体例、坂道駐車や中古車購入時の注意点まで、初心者でも分かるように詳しく解説します。
この記事でわかること
- EPBの基本仕組みと操作方法
- ディスク式とドラム式の違いと特徴
- オートモードと手動モードの切り替え方と使い分け
- 操作トラブル事例と具体的な対処法
- 坂道駐車や長時間駐車での安全ポイント
- 中古車購入時のチェック方法や注意点
- メーカー別EPBの特徴やおすすめ設定
- この記事でわかること
- 1. EPBとは? — ボタンひとつで駐車ブレーキを操作
- 2. ディスク式EPBの仕組みと特徴
- 3. ドラム式EPBの仕組みと特徴
- 4. オートモードと手動モードの切り替え方
- 5. 操作トラブルの具体例と対処法
- 6. 日常でのEPBの使い方と坂道駐車の実例
- 7. EPBを長持ちさせるポイント
- 8. 中古車購入時のEPBチェック
- 9. メーカー別EPBの特徴
- 10. よくある質問
- 11. まとめ
1. EPBとは? — ボタンひとつで駐車ブレーキを操作
EPB(Electric Parking Brake)は、従来のハンドブレーキレバーを電子制御に置き換えた駐車ブレーキです。運転席にあるボタンを押すだけでブレーキがかかり、解除もアクセルやギア操作で自動的に行われます。近年では、停車時に自動でブレーキを保持する「オートホールド機能」を搭載する車も増え、渋滞や坂道でも足をブレーキから離して待つことができます。
従来のハンドブレーキは力加減で効きが変わることがありましたが、EPBは電子制御により常に均一なブレーキ力がかかるため、駐車時の安全性が大幅に向上しています。また、デザイン面でも、手元にレバーがなくなることで運転席周りがすっきりし、インテリアの自由度も高まります。
2. ディスク式EPBの仕組みと特徴
ディスクブレーキは、ローターという円盤をブレーキパッドで挟み込むことで摩擦を生み、車を止める仕組みです。EPB搭載車では、キャリパー内に小型モーターやアクチュエータが組み込まれており、ボタン操作でパッドをローターに押し付けることで駐車ブレーキを固定します。
ディスク式EPBの特徴は以下の通りです:
- ブレーキ力が強く均一で安定している
- 摩耗状態が比較的分かりやすく、異常に気付きやすい
- 電子制御でブレーキ力を自動調整できる車種が多い
- 操作はボタン一つで簡単、発進時は自動解除される
体験談として、「市街地の渋滞でブレーキペダルから足を離しても車が滑らず、長時間停車が快適になった」という声も多く、日常的な使用で便利さを実感できます。
3. ドラム式EPBの仕組みと特徴
ドラムブレーキは、内部のブレーキシューを押し広げてドラム内部で摩擦を生み、車を固定します。後輪に採用されることが多く、EPBではモーターやアクチュエータによってシューを押し広げる方式です。
ドラム式EPBの特徴:
- ディスク式に比べ摩耗が目に見えにくい
- 摩耗が進むと効きが弱くなるため定期点検が重要
- 操作はディスク式と同じで、ボタンで確実にブレーキがかかる
体験談:「中古車で後輪ドラム式のEPB搭載車を購入したが、初めは効きが弱く感じた。整備工場で調整してもらい安心して使用できるようになった」という例があります。
4. オートモードと手動モードの切り替え方
EPBには「オートモード」と「手動モード」があり、ほとんどの車で切り替え可能です。
オートモード:駐車時に自動でブレーキがかかり、発進時にはアクセルやギア操作で解除されます。便利で安全ですが、「本当にブレーキがかかっているか不安」と感じる方もいます。
手動モード:ボタン操作でブレーキをかけたり解除したりできます。長時間駐車、坂道、整備作業中など、ブレーキのかかり具合を自分で確認したい場合に便利です。
オートと手動を状況に応じて切り替えられることで、安全性を高めることができます。例えば、渋滞中のオートホールド使用と、長時間駐車時の手動操作を併用することで、安心して駐車ができます。
5. 操作トラブルの具体例と対処法
EPBは電子制御のため、操作中にトラブルが発生することもあります。よくある事例と対処法を紹介します。
- ランプが点滅し続ける:ブレーキが完全にかかっていないかセンサー異常の可能性。非常解除を行うか整備工場で確認。
- ボタンを押しても作動音がない:バッテリー不足やモーター異常。ライトやその他電装品の動作も確認し、必要に応じてロードサービスに連絡。
- 解除されない、解除しても車が動かない:アクセルやギア操作でも解除されない場合は非常解除を試し、改善しない場合は専門業者に連絡。
- オートモードで解除されない:オート機能の不具合や設定ミス。手動モードに切り替えて操作。
- 操作後に車が少し滑る:摩耗や電子制御の調整不足の可能性。坂道ではギアを「P」に入れて二重で安全確保。
体験談:「坂道でオート解除がうまく作動せず、手動モードに切り替えたら正常に解除できた」という事例があります。操作トラブルは稀ですが、知っておくと焦らず対応できます。

6. 日常でのEPBの使い方と坂道駐車の実例
基本操作はシンプルです。駐車時はボタンを押し、ランプ点灯を確認。発進時はアクセルやギア操作で解除されます。解除されない場合は手動でボタン操作します。
坂道ではまずボタンでブレーキをかけ、ギアを「P」に入れて二重で安全を確保します。前向きや後向きに停める場合も、路肩を利用して車が滑らないようにします。オートホールド機能搭載車では、渋滞中にブレーキペダルから足を離しても車が滑らず便利です。
7. EPBを長持ちさせるポイント
- バッテリーを健康に保つ
- 異音や異臭があれば点検する
- 洗車時は高圧洗浄機の水が直接アクチュエータに当たらないよう注意
- 定期的に車検や点検で整備工場に状態確認
8. 中古車購入時のEPBチェック
中古車でEPB搭載車を購入する際は整備記録や取扱説明書の確認が重要です。交換歴やエラー履歴の有無を確認し、購入前にボタン操作で作動音やランプ表示、異音の有無をチェックします。整備工場で診断してもらうとさらに安心です。
9. メーカー別EPBの特徴
車種やメーカーによって、EPBの操作感や機能に違いがあります。例えば:
- トヨタ・レクサス:オート解除がスムーズで、渋滞中のオートホールドが快適
- ホンダ:オート解除時の反応がやや早めで、手動操作のフィードバックが明確
- 日産・マツダ:ディスク・ドラム両方搭載あり、手動モードでの微調整が可能
10. よくある質問
- バッテリーが上がったら? 非常解除機能を使い、必要であればロードサービスに連絡
- オートモードで解除されない場合は? 手動モードに切り替えて操作、設定や取扱説明書も確認
- 古い車に後付け可能? キットによる後付けは可能ですが、安全性や車検の確認が必要、専門業者に相談
11. まとめ
EPBはボタンひとつで車を安全に止められる便利な装置です。ディスク式もドラム式も基本操作は同じで、オートと手動モードを切り替えることで、状況や好みに応じて安全に使用できます。操作トラブルや異常に気づいたら早めに点検することが、長く快適に利用するポイントです。駐車場で操作に慣れ、安全にEPBを活用しましょう。
ブレーキの説明解説もあります