ボンネットに隠れるワイパーの立て方完全ガイド|メーカー別詳細解説
はじめに
洗車をしようとワイパーを立てようとしたら、ボンネットにぶつかって立てられない。そんな経験、ありませんか? 最近の車に多く採用されている「コンシールドワイパー」は、見た目がすっきりしてかっこいいのですが、普通のワイパーのように簡単には立てられないんです。
冬の雪の日にワイパーがガラスに凍り付くのを防ぎたいとき、洗車でフロントガラスをきれいに拭きたいとき、ワイパーゴムを交換したいとき。こんな場面で困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、スバル、メルセデス・ベンツ、BMW、アウディといった主要メーカーごとに、コンシールドワイパーの正しい立て方を詳しく解説していきます。間違った方法で無理やり立てようとすると、ワイパーやボンネット、最悪の場合フロントガラスまで傷つけてしまう可能性があるので、ぜひこの記事を参考にしてくださいね。
この記事で分かること
- ボンネットに隠れるワイパーの立て方完全ガイド|メーカー別詳細解説
コンシールドワイパーとは?なぜ普通に立てられないのか
コンシールドワイパーの「コンシール(concealed)」は「隠す」という意味の英語です。その名の通り、ワイパーが停止している時にボンネットの中に隠れて見えなくなるタイプのワイパーシステムのことを指します。
従来のワイパーは停止位置でもワイパーアーム全体が見えていましたが、コンシールドワイパーでは回転軸の取り付け位置を下げることで、ワイパーアームがボンネット内に格納されるように設計されています。ワイパーが半分くらい格納されるタイプは「セミコンシールドワイパー」、ほぼ完全に隠れてしまうタイプは「フルコンシールドワイパー」と呼ばれることもあります。
このコンシールドワイパーには、いくつかのメリットがあります。まず、見た目がすっきりしてスタイリッシュになること。運転席に座った時にワイパーが視界に入らないので、前方視界が広く感じられます。さらに、高速走行時の風切り音が減少し、空気抵抗も軽減されるため燃費向上にも貢献すると言われています。
しかし、これらのメリットと引き換えに、ワイパーを立てる際には特別な手順が必要になります。そのまま持ち上げようとすると、ワイパーアームの根元部分がボンネットの後端部分に引っかかってしまうんです。無理に力を入れて引き上げようとすると、ワイパーアームが曲がったり、ボンネットの塗装が剥がれたり、最悪の場合はフロントガラスが割れてしまう可能性もあります。
そのため、コンシールドワイパーを採用している車では、「サービスポジション」や「メンテナンスポジション」、「ライズアップ機能」といった、ワイパーをボンネットから離して立てられる位置まで移動させる機能が用意されているのです。

トヨタ車のワイパーの立て方
トヨタは多くの車種でコンシールドワイパーを採用しており、その立て方も比較的分かりやすく説明されています。トヨタの公式サイトには専用のページがあり、動画での解説も用意されているほど、問い合わせの多い内容なんだそうです。
トヨタ車の場合、車種によって2つの方法があります。
手動式の立て方
一つ目は、手動でワイパーを引き出す方法です。この方法は、電気系統を使わずに物理的にワイパーを移動させるタイプです。
まず、ワイパーブレード(ゴムの部分)ではなく、ワイパーアームの付け根部分をしっかりと持ちます。この時、必ず軍手やゴム手袋をはめて作業することをおすすめします。素手だと滑りやすいですし、力を入れやすくするためです。
次に、ワイパーをガラス面に沿って強めに手前(車の外側)に引き上げます。すると、ワイパーがわずかに動作して、ボンネットから離れた位置で止まります。この状態になったら、ワイパーアームのフック部分を持って、通常通りワイパーを立ち上げることができます。
戻す時は、この逆の手順です。まずワイパーを寝かせてから、ワイパーアーム付近を持ってガラスに沿って優しく押し下げます。「カチッ」という音がするまで押し込むと、元の格納位置に戻ります。
ワイパースイッチを使った立て方

二つ目は、ワイパースイッチを操作してサービスポジションに移動させる方法です。こちらは電動でワイパーを移動させるため、手動式より簡単で確実です。クラウン(クロスオーバー)、シエンタ、カムリなど、多くの車種でこの方法が採用されています。
手順は以下の通りです。
まず、パワースイッチ(エンジンスタートボタン)を一度ONにしてから、OFFにします。エンジンをかける必要はありません。
次に、エンジンを切ってから45秒以内に、ワイパースイッチを上方(レバーに△マークが書いてある方向)に持ち上げます。この時、2秒以上そのまま保持することが重要です。すぐに離してしまうと、ワイパーが1回だけ動作して終わってしまいます。
すると、ワイパーが自動的に動き出し、フロントガラスの上部、ボンネットから十分に離れた位置で停止します。これが「サービスポジション」と呼ばれる状態です。この状態になったら、手でワイパーを持ち上げて立てることができます。
作業が終わってワイパーを元に戻す時は、まずワイパーをフロントガラス上に優しく寝かせます。この時、勢いよく倒すとガラスが割れる危険があるので、必ず手を添えてゆっくりと降ろしてください。
次に、パワースイッチをONにして、ワイパー操作を一度行います(ワイパーレバーを操作する)。すると、ワイパーが自動的に元の格納位置に戻ります。
トヨタの取扱説明書には必ずこの手順が記載されているので、不安な方は愛車の取扱説明書も確認してみてください。車種によって細かい手順が異なる場合もあります。
日産車のワイパーの立て方
日産車でも、多くの車種でコンシールドワイパーが採用されています。日産では「ライズアップ機能」という名称で、ワイパーを立てられる位置まで移動させる機能を搭載しています。
具体的な操作方法として、先代のエクストレイルの例を挙げると、次のような手順になります。
まず、キースイッチ(イグニッションスイッチ)をOFFにします。エンジンを切った状態です。
次に、キーをOFFにしてから1分以内に、ワイパーレバーを上方向(ウォッシャー液を出す方向、またはMIST位置)に2回連続で素早く動かします。この「2回連続」というのがポイントで、1回だけだとワイパーが1回動作して終わってしまいます。
すると、ワイパーが自動的に動き出し、上部の位置で停止します。これがライズアップポジションです。この状態になったら、ワイパーを立ち上げることができます。
ジュークなど一部の車種では、操作方法が少し異なります。ジュークの場合は、スイッチをOFFにした後、ウォッシャー液を出すレバーを長押しすると、ワイパーが動作してアームを立てられる位置で止まります。2013年8月のマイナーチェンジ前後で操作方法が変更されているため、年式によって異なる点にも注意が必要です。
元に戻す時は、ワイパーを寝かせてから、キースイッチをONにしてワイパー操作を行えば、自動的に格納位置に戻ります。
ホンダ車のワイパーの立て方
ホンダ車も近年の多くの車種でコンシールドワイパーを採用しています。ZR-Vやステップワゴンなど、人気車種でこのタイプのワイパーが使われています。
ホンダでは「メンテナンスポジション」または「ワイパーメンテナンスポジション」という名称で、ワイパーを立てられる位置への移動機能を提供しています。
基本的な操作方法は、トヨタ車と非常によく似ています。
まず、パワーモード(エンジン)をOFFにします。
次に、エンジンを切ってから約45秒以内に、ワイパースイッチを上方向(MIST位置)に約2秒以上持ち上げた状態を保持します。この「2秒以上保持」というのが重要で、すぐに離してしまうとメンテナンスポジションに移動しません。
すると、ワイパーが自動的に動き出し、メンテナンスポジション(サービスポジション)で停止します。この位置でワイパーアームを立てることができます。
ステップワゴンの取扱説明書には、「フロントワイパーアームを起こす際は、必ずワイパーメンテナンスポジションへ動かしてから、ワイパーアームを起こしてください」と明記されています。正しい手順で行わないと、ワイパーブレード、ワイパーアーム、またはボンネットに傷がつくおそれがあると注意喚起されています。
元に戻す時は、ワイパーをフロントガラス上に寝かせてから、パワーモードをONにして、ワイパー操作を一度行えば自動的に格納位置に戻ります。
マツダ車のワイパーの立て方
マツダ車も最近の車種、特にMAZDA3、CX-30、MX-30、CX-60などで「魂動デザイン」を採用した車種において、すっきりとしたスタイリッシュな外観を実現するためにコンシールドワイパーを採用しています。
マツダでは「サービスポジション」という名称で、ワイパーを立てられる位置への移動機能を提供しています。
MAZDA3、CX-30、MX-30の場合
これらの車種では、以下の手順でワイパーを立てます。
まず、車両のエンジンスイッチをONにします。
次に、エンジンスイッチをOFFにします。
そして、OFFにしてから30秒以内に、ワイパーレバーをMIST方向(上側)に2回連続で押し上げます。この操作により、ワイパーが作動してサービスポジションで止まります。
この状態になったら、ワイパーを立てることができます。
元の状態に戻す時は、まずワイパーがフロントガラスの上に寝かされていることを確認してから、キーをONにし、ワイパーレバーをMIST方向に1回上げます。すると、ワイパーが元の格納位置に戻ります。
CX-60の場合
CX-60は少し操作方法が異なります。
サービスポジションへの移動手順は以下の通りです。
車両の電源をONにします。
電源をOFFにします。
OFFにしてから30秒以内に、ワイパースイッチを「MIST」の位置まで2回押し上げます。
ワイパーが作動し、サービスポジションで止まるので、ワイパーアームを立てます。
戻す時の手順も少し特徴的です。
まず、ワイパーがフロントガラスの上におろされていることを確認します。
車両の電源をONにします。
ワイパースイッチを「MIST」の位置まで2回押し上げます(MAZDA3、CX-30、MX-30は1回です)。
すると、ワイパーがボンネット下へ格納されます。
スバル車のワイパーの立て方
スバル車のワイパー立て方について、公式サイトや取扱説明書を確認したところ、多くのスバル車では一般的なワイパー構造を採用しており、特別な操作なしで直接ワイパーを立てられる車種が多いようです。
スバルの公式サイトやFAQページでは、ワイパーブレードの交換方法について詳しく説明されていますが、そこでは「運転席側のワイパーアームを起こしてから、助手席のワイパーアームを起こします」という記述があり、特別なサービスポジション機能についての言及はありませんでした。
スバル車のワイパーを立てる際の一般的な手順としては、運転席側を先に立ててから助手席側を立てる、戻す時は助手席側を先に戻してから運転席側を戻す、という順序が推奨されています。これは、ワイパー同士が干渉して傷つくのを防ぐためです。
また、ワイパーアームを立てた状態では、アームが倒れないように必ず手で支えながら、ワイパーブレードの取り外しや交換作業を行うことが重要です。ブレードを外した状態でアームが倒れると、ガラス面を傷つけてしまう危険があります。
メルセデス・ベンツのワイパーの立て方
メルセデス・ベンツは高級車メーカーとして知られており、多くの車種でコンシールドワイパーを採用しています。ベンツでは「メンテナンスポジション」という機能で、ワイパーを立てられる位置まで移動させます。
ベンツのワイパーを立てる手順は、非常にシンプルです。
ブレーキペダルを踏まずに、エンジンスタートボタンを3回押します。この時、エンジンがかかる前の「アクセサリーモード」のような状態を経由して操作します。ブレーキを踏むとエンジンがかかってしまうので、必ずブレーキは踏まないでください。
すると、ワイパーが自動的にメンテナンスポジションに移動します。この状態でワイパーを立てることができます。
元に戻す時は、ワイパーを寝かせてから、通常通りエンジンを始動させてワイパー操作を行えば、自動的に格納位置に戻ります。
古いベンツでは、W124からW210世代にかけて1本ワイパーを採用していた時期もありました。このワイパーはアームを伸縮させることで拭き取り面積を大きくする独特のシステムでしたが、伸縮を制御するギアに負荷がかかりやすく故障の原因となることも多かったため、新しいモデルでは一般的な2本ワイパーに変更されています。
BMWのワイパーの立て方
BMWも高級車メーカーとして、多くの車種でセミコンシールドワイパーやフルコンシールドワイパーを採用しています。普通にワイパーを立てようとしてもエンジンフード(ボンネット)に引っ掛かって立たないため、専用の手順が必要です。
基本的な手順
まず、ワイパー交換の前に、フロントガラスに砂埃などが付着していたら、ワイパーを動かすことでガラスを傷つけることもあるので、濡れたタオルなどでガラス面とワイパーゴムの埃を拭き取ってから作業に入りましょう。ウインドウが濡れている状態がベストです。
次に、「エンジン START/STOPスイッチ」を「オン」にします。エンジンを始動する必要はありません、アクセサリーモードで十分です。
そして、ワイパーレバーを上に押した状態を数秒(約3秒)保ちます。この時、すぐに離さずにしっかりと保持することがポイントです。
すると、ワイパーが1往復(車種によっては2往復)した後に、ほぼ垂直の位置で静止します。ワイパーレバーは、ワイパーが静止するまで上に押し上げたままを保ち、静止後に離します。
ワイパーが垂直の位置で静止したら、手でワイパーを立ち上げることができます。この位置が作業位置となります。
注意点
BMWのワイパー作業では、いくつかの重要な注意点があります。
まず、ワイパーを上げたままの状態で長時間放置しないでください。手が当たってしまったり、ワイパーが強くガラスに打ちつけられる可能性があります。拭き終わればすぐに戻すことが推奨されています。
また、ワイパーを立てている状態の時は、キーの操作や室内のボタンの操作、ドアの開け閉めはしないでください。これらの操作により、ワイパーが作動する恐れがあります。ワイパーが立った状態で動作すると、ボンネットやワイパー、フロントガラスを傷つける可能性が非常に高いです。
作業が終了したら、ワイパーをガラス面に寝かせます。起こしたままワイパーを作動させてしまうと、アームやボンネット、ガラスを損傷する危険があります。
ワイパーブレードの取り外し
BMWの純正ワイパー(例えばF30、F31、F34)のサイズは、運転席側の長い方が600mm、助手席側の短い方が475mmです。
ワイパーアームとのジョイント部分は、ギザギザのレバー部分を両側からつまめるようになっています。このレバー部分をつまんで、ガラス面側へ引くと外れます。つまんだまま引っ張る感じで操作してください。
ブレードが外れた状態では、アームがガラス面に倒れるとガラスが割れてしまいます。作業の合間はブレードを外した状態で放置せず、いったんガラス面に寝かせておきましょう。その際、ガラスとアームの間にタオルを挟んでおけば傷の心配もありません。
アウディのワイパーの立て方
アウディ車も高級輸入車として、多くの車種でコンシールドワイパーを採用しています。アウディのワイパー操作について、いくつか特徴的な点があります。
ワイパーレバーの位置
まず、アウディのお車の場合、国産車とは違ってハンドルの左側がウィンカーの操作、右側がワイパーの操作となっています。初めてアウディに乗る方は、この配置に慣れるまで少し時間がかかるかもしれません。
ワイパーの動作モード
アウディのワイパーには複数の動作モードがあります。
HI:レバーを3段上に押し上げたとき、高速作動。LO:レバーを2段上に押し上げたとき、低速作動。AUTO:レバーを1段上に押し上げたとき、オートセンサーで雨を感知して自動作動。OFF:ワイパーは動きません。1X:OFFから1段下に下げたとき、1回作動します。
AUTOモードでは、雨滴感知式ワイパー(レインセンサー)が搭載されており、雨量によって作動の間隔やスピードが自動で調整されます。雨量センサーの感度は、レバーにある調整ダイヤルを左右に動かすことで、ご自身で調整することもできます。
ワイパーを立てる方法
アウディでワイパーを立てる際は、他の輸入車と同様の方法が使えます。
基本的には、キーを差し込み「ON」の位置まで回し、エンジンをかけずにそのまま「OFF」にします。次に、ワイパーレバーを停止位置から1段階下(ワイパーを手動で1回作動させる位置)に1回押します。
すると、ワイパーがメンテナンス位置で停止します。この状態でワイパーを手前に起こせば作業位置となります。
アウディのMMI(マルチメディアインターフェース)システムを搭載している車種では、システム経由でワイパー交換位置をONにすることもできる場合があります。
作業が終了したら、ワイパーをガラス面に寝かせます。起こしたままワイパーを作動させてしまうと、アームやボンネット、ガラスを損傷する危険があるので、必ず寝かせてから車を操作してください。
ワイパーを立てる際の共通の注意点
メーカーや車種を問わず、コンシールドワイパーを立てる際には、いくつかの共通した注意点があります。これらを守らないと、車を傷つけたり、最悪の場合は事故につながる可能性もあるので、必ず確認してください。

正しい手順で操作する
最も重要なのは、必ず正しい手順でワイパーをサービスポジションやメンテナンスポジションに移動させることです。無理やり力を入れて手動で引き上げようとすると、ワイパーアームが曲がったり、ボンネットに傷がついたり、最悪の場合はフロントガラスが割れる可能性があります。
愛車の取扱説明書には、必ずワイパーの立て方が記載されているので、作業前に一度確認することをおすすめします。車種や年式によって手順が異なることもあります。
ワイパーを立てたまま放置しない
ワイパーを立てた状態で長時間放置することは避けてください。特に強風の日は、ワイパーが倒れてフロントガラスに強く当たり、ガラスが割れる可能性があります。実際、雪の日にワイパーを立てておいたら、風で倒れてガラスが割れたというケースも報告されています。
作業が終わったら、できるだけ早くワイパーを元の位置に戻しましょう。
ワイパーを立てた状態で車を操作しない
ワイパーを立てている状態の時は、絶対に以下の操作をしないでください。
エンジンの始動や停止、キーの抜き差し、ドアの開閉(特にキーレスエントリーの開閉音)、ワイパーレバーの操作、ボンネットの開閉、車両のロック・アンロック。
これらの操作により、ワイパーが作動する可能性があります。ワイパーが立った状態で動作すると、ボンネット、ワイパーアーム、フロントガラスが損傷する危険性が非常に高くなります。
ワイパーブレードを外した状態での取り扱い
ワイパーゴムを交換する際、ブレードを外した状態でワイパーアームを立てておく場合は、特に注意が必要です。ブレードがない状態でアームが倒れると、金属のアーム先端が直接ガラス面に当たり、ガラスが割れる可能性が非常に高くなります。
作業中は必ずアームを手で支え、一時的に作業を中断する場合は、ガラスとアームの間にタオルやクッション材を挟んでおくことをおすすめします。
ワイパーの戻し方も慎重に
ワイパーを元の位置に戻す時も、慎重に行ってください。勢いよくワイパーを倒すと、ガラスに強く当たって割れる可能性があります。必ず手を添えて、ゆっくりと降ろすようにしましょう。
また、ワイパーを寝かせてから、エンジンをかけたりワイパーを操作したりして、正しく格納位置に戻ったことを確認してください。中途半端な位置に止まったままだと、ボンネットが閉まらなかったり、走行中にワイパーが外れたりする危険があります。
軍手やゴム手袋を着用する
ワイパーを操作する際は、軍手やゴム手袋を着用することをおすすめします。素手だと滑りやすく、力を入れにくいだけでなく、金属部分で手を切る可能性もあります。また、手の油分がワイパーゴムやガラス面につくと、拭き取り性能が低下することもあります。
フロントガラスとワイパーの清掃
ワイパーを立てる前に、フロントガラスとワイパーゴムに砂埃などが付着していないか確認しましょう。砂埃が付着した状態でワイパーを動かすと、ガラス面に傷がつく可能性があります。事前に水で流すか、濡れたタオルで軽く拭いておくと安心です。
天候と気温への配慮
極端に暑い日や寒い日は、ワイパー作業に適していない場合があります。
真夏の炎天下では、ワイパーゴムが高温になって柔らかくなり、変形しやすくなっています。また、金属部分も非常に熱くなっているので、火傷の危険もあります。できれば日陰で作業するか、涼しい時間帯に行いましょう。
真冬の氷点下では、ワイパーゴムが凍結してガラス面に張り付いている場合があります。この状態で無理に立てようとすると、ゴムが破れたり剥がれたりする可能性があります。まず車を暖機してフロントガラスの氷を溶かしてから作業してください。
豪雪時にワイパーを立てることについて
冬になると、雪が降る地域では「ワイパーを立てておく」という光景をよく見かけます。これは、夜間にワイパーがフロントガラスに凍り付くのを防ぐための対策として、古くから行われてきました。
しかし、近年この習慣について、見直すべきだという意見も出てきています。

ワイパーを立てるメリット
まず、従来からワイパーを立てることのメリットとして挙げられてきたのは、以下の点です。
雪が降ってもワイパーがガラスに凍り付かないため、出発前の準備時間が短縮できます。凍り付いたワイパーを無理に動かすとワイパーモーターに負担がかかり、故障の原因にもなるため、これを防げるというメリットがありました。
また、ワイパーゴムがガラスに長時間密着することによる変形や劣化を防げるという意見もあります。
ワイパーを立てるデメリットと危険性
一方で、ワイパーを立てることには、いくつかの大きなデメリットや危険性があることも指摘されています。
まず、ワイパーアームは常にガラス面に押し付けられる力(スプリングの力)がかかっています。ワイパーを立てた状態では、このスプリングが伸びきった状態で長時間保持されることになり、スプリングの劣化や変形につながる可能性があります。スプリングが劣化すると、ワイパーの押し付け力が弱くなり、拭き取り性能が低下します。
次に、強風でワイパーが倒れる危険性です。特に豪雪を伴う強風の日は、立てたワイパーが風で倒れ、金属のアーム部分がフロントガラスに強く叩きつけられることがあります。この衝撃でフロントガラスが割れたという事例も実際に報告されています。フロントガラスの交換には10万円以上かかることも珍しくなく、修理費用は決して安くありません。
また、大雪の場合、ワイパーを立てておいても、ワイパーアームの上に雪が積もってしまい、結局ワイパーを戻す前に雪を落とす作業が必要になることもあります。
最近の車の対応
最近の車は、ワイパーモーターに過負荷がかかると自動的に停止する機能が付いていたり、ワイパーゴムの素材が改良されて凍り付きにくくなっていたりと、技術的な進歩があります。
また、フロントガラスに熱線が入っている車や、ウォッシャー液が温められる機能を持つ車も増えており、こうした車では無理にワイパーを立てる必要性は低くなっています。
推奨される対策
豪雪時の対策としては、以下のような方法が推奨されています。
夜間は車をガレージや屋根のある場所に停める、フロントガラスカバー(雪よけシート)を使用する、朝出発前に十分な時間をかけて車を暖機しデフロスターでガラスとワイパーの氷を溶かす、凍結防止用のウォッシャー液を使用する、出発前にワイパーを手で動かしてみて凍り付いていないか確認する、といった方法です。
これらの方法を組み合わせることで、ワイパーを立てなくても十分に対応できることが多いです。
特にコンシールドワイパーを採用している車の場合、ワイパーを立てるには特別な操作が必要で手間もかかるため、別の対策を検討した方が現実的かもしれません。
よくある質問(FAQ)
まとめ
コンシールドワイパーは、車の見た目をすっきりさせ、空気抵抗を減らすといったメリットがある一方で、ワイパーを立てる際には特別な手順が必要になります。
各メーカーとも、サービスポジションやメンテナンスポジション、ライズアップ機能といった名称で、ワイパーを安全に立てられる機能を提供しています。操作方法は車種によって異なりますが、基本的には「エンジンを切ってから一定時間内にワイパーレバーを特定の操作をする」というパターンが多いです。
重要なのは、無理やり力を入れて立てようとせず、必ず正しい手順を守ることです。間違った方法で立てようとすると、ワイパーアームが曲がったり、ボンネットに傷がついたり、最悪の場合はフロントガラスが割れてしまう可能性もあります。
また、豪雪時にワイパーを立てる習慣については、メリットとデメリットを理解した上で、自分の車と環境に合った判断をすることが大切です。特にコンシールドワイパーの場合は、立てるのに手間がかかるため、フロントガラスカバーなど別の対策も検討してみてください。
愛車のワイパーの立て方が分からない場合は、まず取扱説明書を確認するか、ディーラーに問い合わせてみましょう。正しい知識と手順で、安全にワイパーのメンテナンスを行ってくださいね。