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そのキーキー音、放置は危険?ディスクブレーキの仕組みと交換時期

 

そのキーキー音、放置は危険?ディスクブレーキの仕組みと交換時期

クルマを運転しているときに、一番に心配になることがブレーキなのではないでしょうか。ブレーキを踏んでも止まらなかったらどいうしようか?ブレーキを踏んだ時に「キーキーと音がする」「ペダルを踏むと車体が振動する」などこのまま使って大丈夫なのだろうか?ブレーキが減っている言われたが「ディスクブレーキの交換時期がよく分からない」本当はまだ使えるのではないか?など、ブレーキに関する不安や疑問を抱えている方は少なくありません。この記事では、整備士としての現場経験をもとに、ディスクブレーキの基本的な仕組みから、異音や振動といった故障症状の原因、交換時期の目安、種類や構造までをわかりやすく解説していきます。

この記事で分かること

  • ディスクブレーキとはどのような装置か、基本的な仕組み
  • キーキー音や振動など、異音・故障症状の原因
  • ブレーキパッドやローターの寿命・交換時期と料金の目安
  • ディスクブレーキの種類・構造・構成部品の違い

1. ディスクブレーキとは

ディスクブレーキとは、タイヤと一緒に回転する円盤状の部品(ディスクローター)を、両側からパッドで挟みつけることで摩擦を発生させ、その摩擦力によって車輪の回転を減速させるブレーキ装置のことです。自転車のリムブレーキを思い浮かべると分かりやすいかもしれません。回転している部分を、何かで挟みつけて止める、という基本的な考え方は一緒です。

かつての乗用車では、後輪に「ドラムブレーキ」という、円筒状の部品の内側からブレーキシューを押し付けて減速させる方式が広く使われていました。しかし、ドラムブレーキは構造上、放熱性に劣り、雨天時に水が入り込むと効きが悪くなる「フェード現象」が起きやすいという弱点があります。これに対してディスクブレーキは、ローターが外気にさらされているため放熱性が高く、雨や水にも強いという特徴があります。こうした理由から、現在では多くの乗用車で前輪・後輪ともにディスクブレーキ(前輪はほとんど)が多く採用されています。

ディスクブレーキは、ブレーキペダルを踏む力を油圧に変換し、その油圧でピストンを押し出してパッドをローターに押し付ける、という流れで動作します。この一連の流れについては、第5章で詳しく解説していきます。

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2. 異音・振動などの故障症状と原因

ここでは、ディスクブレーキで実際によく見られる症状を取り上げながら、その原因として考えられることを解説していきます。ご自身の症状に近いものがあるか、確認しながら読み進めてみてください。なお、実際の原因は車両ごとに異なりますので、ここで紹介する内容はあくまで一般的な傾向としてご理解ください。

ブレーキから「キーキー」という音が出る

最も多く相談を受ける症状のひとつです。多くの場合、ブレーキパッドに取り付けられている「パッドウェアインジケーター」という金属製のプレートが、パッドの残量が少なくなったことでローターに接触し、音を発生させています。この場合は、パッドの残量が少なくなっているサインですので、早めの点検をおすすめします。一方で、パッドの残量が十分にある場合でも、パッドとローターの間に異物が入り込んでいたり、パッドの表面が硬化していたり、ディスクローターが少し歪んでパッドに接触しているなど音が出るケースもあります。キーキー音はいろんな原因があるので、一概にここが悪いという断定ができないという難しい修理になることもあります。パッドの残量が少ないブレーキピストンの固着が無ければ、処置をしながらの修理になることが多いです。

ブレーキペダルを踏むと車体やハンドルが振動する(ジャダー)

ローターの表面に偏った摩耗や歪みが生じることで、パッドとの接触が不均一になり、ブレーキペダルやハンドルに振動として伝わることがあります。長時間の連続したブレーキ使用による熱の影響や、ホイールナットの締め付けが不均一であることなどが関連するケースもあります。

ブレーキの効きが悪くなった気がする

パッドの摩耗が進んでいる場合や、ブレーキフルードの劣化、あるいはフルード内に水分や気泡が混入している場合などに、ブレーキの効きが弱く感じられることがあります。また、キャリパーのピストンの動きが固着気味になっている場合も、片効きや効きの悪化につながることがあります。

ブレーキを踏むと車体が片側に寄る(片効き)

左右どちらかのキャリパーのピストンやスライドピンの動きが悪くなっている場合、その車輪のブレーキの効きが弱くなり、ブレーキ時に車体が片側に寄るような感覚が生じることがあります。キャリパーのスライド部分の固着や、パッドの偏った摩耗が関係していることが多く見られます。

走行中にローターから「ゴーッ」という大きな音がする

パッドの摩擦材がなくなり、金属の裏板が直接ローターに接触している場合、このような大きな擦れ音が発生することがあります。この状態は、ローターを大きく傷つけてしまう可能性が高く、できるだけ早く点検・交換を行う必要があります。

ブレーキペダルが奥まで沈み込む(スポンジー感)

ブレーキペダルを踏んだときに、いつもより深くまで踏み込めてしまう、あるいは踏み応えがふわふわとしている場合、ブレーキの油圧経路のどこかに空気が混入しているか、ブレーキフルードの漏れの可能性が考えられます。ブレーキフルードは本来、ほとんど圧縮されない液体であるため、しっかりとした踏み応えが得られますが、経路内に空気が入り込むと、その空気が圧縮されてしまい、ペダルの踏み応えが軟らかく感じられるようになります。ブレーキフルードが漏れている場合もフルードが逃げてしまうので踏みごたえがなくなります。このような症状が見られる場合は、できるだけ早めに整備工場に持ち込んでフルードの量や経路の状態を点検してもらうことが大切です。

ブレーキ警告灯が点灯する

ブレーキフルードの量が一定以下に減っている場合や、パッドの摩耗を電気的に検知するセンサーが反応した場合などに、メーター内のブレーキ警告灯が点灯することがあります。警告灯が点灯した場合は、自己判断で様子を見るのではなく、早めに点検を受けることが望ましいです。ブレーキフルードの漏れや、ブレーキパッドが大きく摩耗している場合が多いです。

3. ディスクブレーキの寿命と交換時期の目安

ディスクブレーキを構成する部品にも、それぞれ「寿命」と呼べる目安があります。前章で紹介したような症状が出る前に、消耗品を適切なタイミングで交換しておくことが、安心して乗り続けるためにはとても大切です。ここでは、ディスクブレーキの主な消耗品について、寿命や交換時期の目安を解説していきます。

ブレーキパッド

ブレーキパッドの寿命は、走行距離だけでなく、運転の仕方や走行する道路環境によって大きく変わります。市街地や信号が多くストップゴーを頻繁に繰り返す走行をすると減りが早く、高速道路や大きい幹線道路でブレーキを踏むことが少ない人は減りずらい傾向があります。一般的には、走行距離でおおよそ三万キロから五万キロ程度が交換の目安とされることが多いですが、これはあくまで一般的な目安であり、実際の交換時期は車検時や定期点検の際に、パッドの残量を直接確認したうえで判断することが基本となります。

パッドの残量の目安としては、新品の状態でおおむね10mm程度の厚さがあり、走行とともに少しずつ摩耗していきます。そして、残量がおおむね2mmから3mm程度まで減ってきた段階が、交換を検討する目安とされています。ただし、これは車種(重さ)やパッドの種類によって基準が異なる場合がありますので、あくまで一般的な目安として捉えていただき、実際の判断は点検時の実測値に基づいて行うようにしてください。

パッドの残量が少なくなると、第2章で紹介したパッドウェアインジケーターによってキーキーという音が出ることがあります。この音が聞こえた場合は、早めに点検を受けることをおすすめします。

ブレーキディスクローター

ローターも、パッドとの摩擦によって徐々に摩耗していきます。多くの車種では、ローターには最低限必要な厚さ(最小厚さ)が定められており、整備工場ではノギスなどを使ってこの厚さを測定し、基準値を下回っている場合には交換が必要と判断します。

また、ローターの表面に段差や深い溝、サビによる凹凸ができている場合や、第2章で紹介したジャダーが発生している場合には、ローターの面研磨(表面を削って平滑にする作業)や交換が検討されることがあります。一般的には、パッド交換二回につき一回程度のタイミングでローターの状態を確認することが多いですが、これも車種や使用状況によって変わるため、点検時の実測値に基づいて判断することが大切です。

ブレーキフルード

ブレーキフルードは、空気中の水分を吸収しやすい「吸湿性」という性質があり、時間の経過とともに沸点が下がっていくため、定期的な交換が推奨されています。多くの車では、二年に一度程度の交換が推奨されていますが、具体的な交換サイクルは車種ごとに取扱説明書で指定されている場合がありますので、お手元の取扱説明書を確認することをおすすめします。

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キャリパー、ピストンシール

ピストンシールなどのゴム部品は、経年劣化によって硬化やひび割れが起こることがあります。劣化が進むと、ピストンの動きが鈍くなり、第2章で紹介した片効きやパッドの偏摩耗につながることがあります。明確な交換サイクルが定められているわけではありませんが、点検の際にキャリパーのスライド部分の動きやゴム部品の状態を確認してもらいましょう。

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4. 交換にかかる料金の目安

ここでは、ブレーキパッド、ブレーキディスクローター、ブレーキフルードを交換する際にかかる費用の目安をご紹介します。費用は、依頼する場所(ディーラー・整備工場・カー用品店など)や、お車の車種・グレード、使用するパッドやフルードの種類によって幅があります。あくまで一般的な目安としてご覧いただき、正確な金額については依頼予定のお店に見積もりを確認することをおすすめします。

ブレーキパッド交換の料金の目安

ブレーキパッドの交換費用は、前輪または後輪の左右1セットでの販売なので、部品代と工賃を合わせておおむね次のような金額になることが多いです。前輪の方がブレーキの負担が大きく、ブレーキパッドが大きいので高くなります。

依頼先 料金の目安(左右1セット)
カー用品店 6,000円~15,000円程度
整備工場 12,000円~20,000円程度
ディーラー 15,000円~25,000円程度

軽自動車は普通車に比べて部品代がやや安く済む傾向があります。一方で、輸入車やスポーツモデルなどでは、パッド自体が高性能なものになることが多く、1箇所あたりの部品代だけで15,000円から20,000円程度かかる場合もあります。また、前後輪すべてを交換する場合は、上記の目安が前後それぞれにかかると考えておくとよいでしょう。

ブレーキディスクローター交換の料金の目安

ブレーキディスクローターの交換費用は、部品代と工賃を合わせて、1輪あたりおおむね次のような金額が目安となります。

内訳 料金の目安(1輪あたり)
部品代 10,000円~20,000円程度
工賃 4,000円~5,000円程度

前輪の左右2枚を同時に交換する場合は、上記の目安をもとに2倍程度の費用がかかると考えておくとよいでしょう。なお、ローターの状態によっては交換ではなく面研磨で対応できる場合もあり、その場合は交換よりも費用を抑えられることがあります。研磨の場合は1枚6,000円程度の金額になるでしょう。

ブレーキフルード交換の料金の目安

ブレーキフルードの交換費用は、依頼先によって差が出やすい項目です。おおまかな目安は次のとおりです。

依頼先 料金の目安
カー用品店 3,000円~4,000円程度
ガソリンスタンド 5,000円前後
ディーラー 6,000円~10,000円程度

ディーラーでは、リザーバータンク内だけでなく、ブレーキ経路全体のフルードを入れ替える「全量交換」を行うことが多く、その分費用が高くなる傾向があります。一方で、カー用品店などではリザーバータンク内のみの交換となる場合もあるため、気になる場合は作業範囲についても確認しておくとよいでしょう。

なお、ここで紹介した料金は、あくまで一般的な目安です。実際の費用は、車種やパッド・フルードの種類、お住まいの地域、依頼するお店によって変動しますので、作業を依頼する前に見積もりを取り、部品代と工賃の内訳を確認しておくことをおすすめします。

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5. ディスクブレーキの主な種類

ディスクブレーキには、いくつかの分類方法があります。ここでは「ローターの構造による分類」と「キャリパーの構造による分類」の二つの観点から整理していきます。

ローターの構造による分類

ローターの構造によって、大きく「ソリッドディスク」と「ベンチレーテッドディスク」の二種類に分けられます。

種類 特徴 主な採用箇所
ソリッドディスク 一枚板の単純な構造で、軽量かつ部品コストが比較的抑えられます。放熱性はベンチレーテッドタイプに比べると劣ります。 軽量な乗用車の後輪など、ブレーキへの負荷が比較的小さい部位
ベンチレーテッドディスク ローターの内部に放熱用の通風路(フィン)が設けられており、走行風を取り込んで内部から冷却できる構造です。連続したブレーキ操作でも熱がこもりにくくなっています。 多くの乗用車の前輪、スポーツモデルや大型車の前後輪

前輪は、ブレーキをかけたときに車両の重心が前方へ移動するため、後輪に比べて大きな負荷がかかります。そのため、前輪にはベンチレーテッドディスクが採用されることが多くなっています。

キャリパーの構造による分類

ディスクブレーキのもう一つの重要な分類が、パッドを押し付ける「キャリパー」の構造による違いです。代表的なものとして「フローティングキャリパー(片押し式)」と「対向ピストンキャリパー(両押し式)」があります。

種類 特徴 主な採用箇所
フローティングキャリパー(片押し式) ピストンがローターの片側のみに配置されており、ピストンが押し出された反力でキャリパー全体がスライドし、反対側のパッドもローターに押し付けられる仕組みです。構造が比較的簡単で、コストも抑えやすいのが特徴です。 多くの量産乗用車の前後輪
対向ピストンキャリパー(両押し式) ローターを挟む両側にピストンが配置されており、左右からパッドを均等に押し付けることができます。剛性が高く、ブレーキの効きや操作感の精度が求められる場面に向いています。 スポーツモデル、上級車種の前輪など

日常的に使われる多くの車両では、コストと性能のバランスに優れたフローティングキャリパーが採用されています。一方で、走行性能を重視した車種では、より精度の高いブレーキ操作が可能な対向ピストンキャリパーが選ばれる傾向にあります。

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6. ディスクブレーキの構造と仕組み

ここでは、ブレーキペダルを踏んでから、実際にクルマが減速するまでの一連の流れを順番に見ていきます。

まず、ドライバーがブレーキペダルを踏むと、その力は「マスターシリンダー」という部品に伝わります。マスターシリンダーは、ペダルを踏む力を油圧に変換する役割を持つ部品です。このとき、踏む力をそのまま油圧に変換するだけでは十分なブレーキ力が得られにくいため、多くの車には「ブレーキブースター」と呼ばれる装置が組み込まれており、エンジンの吸気圧などを利用して踏力を何倍にも増幅する仕組みになっています。

マスターシリンダーで発生した油圧は、ブレーキフルードという液体を介して、ブレーキパイプやホースを通じて各車輪のキャリパーへと伝えられます。油圧というのは、液体に圧力をかけるとその圧力が液体全体に均一に伝わるという特性を利用したもので、ペダルを踏む力を遠く離れた車輪のブレーキにまで効率的に伝達することができます。

油圧が伝わったキャリパー内部では、「ピストン」が油圧によって押し出されます。このピストンが「ブレーキパッド」を押し、パッドがローターの両側面に押し付けられます。パッドとローターの間に発生する摩擦力によって、ローターの回転、つまりタイヤの回転が減速していきます。

ブレーキペダルから足を離すと、油圧が解放され、ピストンシールの戻り力などによってピストンがわずかに戻り、パッドとローターの接触が解消されます。このとき、パッドとローターの間にはごくわずかな隙間(クリアランス)が保たれるように設計されており、これによって不要な摩擦やブレーキの引っかかり、第2章で紹介したジャダーのような現象を防いでいます。

このように、ディスクブレーキは「踏力の油圧変換」「油圧の伝達」「摩擦力への変換」という三つの段階を経て、車を減速させているということになります。

7. ディスクブレーキを構成する部品

ディスクブレーキは、いくつもの部品が組み合わさって機能しています。ここでは、主要な構成部品について、それぞれの役割を解説していきます。

ブレーキディスクローター

タイヤと一体になって回転する円盤状の部品です。鋳鉄製のものが一般的で、表面にパッドが押し付けられることで摩擦熱が発生します。第5章で紹介したとおり、ソリッドタイプとベンチレーテッドタイプがあり、車種や搭載位置によって使い分けられています。

ブレーキパッド

ローターに押し付けられる摩擦材で、消耗品のひとつです。摩擦材の種類には、金属繊維を多く含む「メタリック系」や、有機物を主体とした「ノンアスベスト・オーガニック系」などがあり、それぞれ効きや音、ダストの量、ローターへの攻撃性などに違いがあります。

キャリパー

ピストンを内蔵し、パッドをローターに押し付けるための部品です。フローティングタイプと対向ピストンタイプがあることは、第5章で解説したとおりです。

ピストン

キャリパー内部にあり、油圧を受けて前後に動くことでパッドを押し付ける部品です。ピストンの周囲には「ピストンシール」というゴム製の部品が取り付けられており、フルードの漏れを防ぐとともに、ペダルを離した際にピストンをわずかに戻す役割も担っています。

ブレーキフルード

油圧を伝達するための専用液体です。高温になりやすいブレーキ周辺で使われるため、高い沸点を持つように設計されています。一方で、第3章で紹介したとおり吸湿性があり、時間の経過とともに沸点が下がっていくため、定期的な交換が推奨されています。

キャリパーサポート(ブラケット)

キャリパーを車体側に固定するための部品です。フローティングキャリパーの場合、キャリパー本体がこのサポートに対してスライドする構造になっています。

ブレーキホース・パイプ

マスターシリンダーで発生した油圧を、各車輪のキャリパーまで伝えるための経路です。車体側は金属製のパイプ、サスペンションの動きに追従する部分はゴム製のホースが使われています。

パッドウェアインジケーター

ブレーキパッドの摩擦材がある程度減ると、金属製のプレートがローターに接触して「キーキー」という音を発生させる仕組みです。これは第2章で紹介したとおり、パッドの残量が少なくなったことを音で知らせるための部品で、すべての車に搭載されているわけではありませんが、多くの車種で採用されています。

8. よくある質問(Q&A)

Q. ブレーキパッドの交換時期は、走行距離だけで判断してもよいのでしょうか。

走行距離は一つの目安にはなりますが、運転の仕方や走行する道路環境によってパッドの摩耗スピードは大きく変わります。そのため、走行距離だけで判断するのではなく、定期点検の際にパッドの残量を実際に確認したうえで、交換のタイミングを判断することが基本となります。

Q. ディスクブレーキとドラムブレーキ、どちらが優れているのでしょうか。

一般的に、ディスクブレーキは放熱性に優れ、雨天時にも比較的安定した効きが期待できるという特徴があります。一方で、ドラムブレーキにもコスト面や構造面でのメリットがあり、現在でも一部の車種の後輪などに採用されています。どちらが優れているかは、使用する条件や目的によって異なるため、一概に優劣を決めることは難しいといえます。

Q. ブレーキから「キーキー」という音が聞こえたら、すぐに修理が必要でしょうか。

パッドウェアインジケーターによる音である場合は、パッドの残量が少なくなっているサインですので、早めの点検をおすすめします。ただし、音の原因がパッドの残量以外にある可能性もありますので、いずれの場合も、できるだけ早く整備工場などで点検を受けることが望ましいです。

Q. ブレーキフルードは、見た目で交換が必要かどうか判断できますか。

ブレーキフルードは吸湿性があり、時間の経過とともに劣化していく性質を持っていますが、見た目だけでその状態を正確に判断することは難しい場合があります。多くの車種では交換の推奨サイクルが定められていますので、取扱説明書を確認し、定期的な交換を行うことが望ましいです。

9. まとめ

今回は、ディスクブレーキの仕組みや、異音・振動などの故障症状とその原因、交換時期の目安、種類や構造、構成部品について解説してきました。

ディスクブレーキは、ペダルを踏む力を油圧に変換し、その油圧でピストンを動かしてパッドをローターに押し付けることで摩擦力を生み出す、という一連の仕組みによって成り立っています。この仕組みを支えているのが、ローター、パッド、キャリパー、ピストン、ブレーキフルードといった各種の構成部品です。

これらの部品の中には、使用とともに摩耗・劣化していく消耗品があり、定期的な点検と適切なタイミングでの交換が、安全な走行を続けるためにとても重要です。「キーキー」という音や、ペダルを踏んだ際の振動、効きの変化といったサインに気づいた際には、できるだけ早く整備工場などで点検を受けることをおすすめします。

ブレーキは、目に見えにくい部分だからこそ、定期的な点検と早めの対応を心がけていただければと思います。

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本記事は、自動車整備の現場経験に基づき、一般的な情報として作成しています。具体的な交換時期や判断基準は車種や年式、使用状況によって異なりますので、実際の点検・整備の際には、お乗りの車の取扱説明書をご確認いただくとともに、整備工場などの専門家にご相談ください。