車の下から液体が漏れてる?色・臭い・場所でわかる原因と危険度【整備歴20年の判断基準】

車の下から液体が漏れてる?色・臭い・場所でわかる原因と危険度【整備歴20年の判断基準】

車を停めていた場所を見たら、地面に液体が落ちている。「これって水?オイル?このまま運転して大丈夫?」と、心配になりますよね。結論からいうと、透明でサラサラした水なら、エアコンから出た水であることが多く、そのまま乗っても問題ない場合がほとんどです。一方で、黒っぽい・赤っぽい・緑っぽいなど色がついていたり、独特のにおいがしたりする液体は、オイルや冷却水、ブレーキフルード(ブレーキに使われる液体)、ガソリンなどが漏れているサインかもしれません。とくにブレーキフルードやガソリンが疑われるときは、そのまま運転するのはさけたほうがいいです。この記事では、20年以上車の整備をしてきた経験から、地面に落ちている液体を「色・臭い・粘り気・落ちている場所」で確認する方法と、乗っていいときとやめたほうがいいときの見分けかたを、専門用語をできるだけ使わずにお伝えします。

車の下から液体が漏れてるとき、まず確認したいこと

液体を見つけたら、いきなり原因をさぐるより先に、次の3つだけ先に見ておきましょう。①色(透明・黒・茶色・赤・緑・青・ピンク・黄色のどれに近いか)、②におい(においがない・甘いにおい・ガソリンっぽい強いにおいのどれか)、③見た目の状態(水のようにサラサラして見えるか、油のようにテカって見えるか)です。この3つがわかれば、おおまかな正体と、乗っていいかどうかの見当がつきます。とくにガソリンのようなツンとした強いにおいがするときは、原因をさぐるより先に、その場でエンジンをかけないことを優先してください。

乗っていい?液体漏れの危険度を3段階で判断

「結局、乗っていいの?」という一番知りたいところを、先にお伝えします。液体のようすを、大きく3段階に分けて考えてみてください。

🟢 走行できる可能性が高い

エアコンを使ったあとに、透明でサラサラした水が落ちている場合は、エアコンから出た水である可能性が高く、故障ではないことが多いです。そのまま乗っても問題ない場合がほとんどです。

🟡 早めに点検してほしい

黒・茶色・赤っぽい油のような液体が、少量ずつでもくり返し落ちている。色やにおいから正体がはっきりしない。こういう場合は、いますぐ走れなくなるわけではありませんが、放っておくと悪化することがあるので、早めに整備工場で見てもらいましょう。

🔴 乗らない・レッカーを検討する

ブレーキフルードが漏れている可能性がある、強いガソリンのにおいがする、冷却水と思われる液体が大量に漏れている、水温計やブレーキ関連の警告灯がついている、エンジンルームから煙や焦げたにおいがする。こういうサインがひとつでもあれば、自分で運転して移動しようとせず、レッカーサービスを呼ぶことを考えてください。

とくにやってはいけないこと

・ガソリンのにおいがするのに、エンジンをかけたりタバコなどの火を近づけたりする
・漏れている液体を素手でさわる
・熱くなったエンジンやラジエーターに直接ふれる
・ブレーキの液体が漏れているかもしれないのに、そのまま運転を続ける
・原因がわからないまま「少量だから大丈夫」と決めつけて乗り続ける

車の下の液体は何?色・臭い・粘り気で確認

ここからは、それぞれの液体について、もう少しくわしく見ていきます。まずは表で全体像をつかんでから、ご自身の車の下にあった液体に近いものを読んでみてください。

液体のようす 考えられるもの 危険度
透明・サラサラ・においなし エアコンから出た水 🟢 低い
黒〜茶色でベタベタ エンジンオイル 🟡 注意
赤・赤茶色 オートマのオイル(ATF)など 🟡 注意
緑・青・ピンクで甘いにおい 冷却水(クーラント) 🟠 要注意
透明〜うすい黄色でベタベタ ブレーキフルード 🔴 高い
強いガソリンのにおい ガソリン 🔴 高い

この「危険度」は、その液体自体の危険性というより、「漏れている可能性がある場合にどれくらい注意して対応すべきか」の目安です。また、色は車種やメーカーによって差があるため、あくまで目安です。「赤いからオートマのオイル」「緑だから冷却水」と色だけで決めつけず、におい・粘り気・落ちている場所・車のようす(警告灯やブレーキの感触など)もあわせて見ることが大切です。

透明な水|エアコンから出た水なら心配いりません

水のように透明でサラサラしていて、においもほとんどない。さらに、エアコンを使ったあとに車の下を見ると、水が落ちている。この場合は、エアコンを使ったときにできる水である可能性が高く、多くの場合は故障ではありません。夏場や梅雨どきに、よく見られる現象です。落ちている場所も、運転席側よりは助手席側や、車の真ん中あたりが多いです。
→ 基本的には、そのまま乗って問題ないことが多いです。
ただし、色がついていたり、油のようなうすい膜が浮いていたり、ねっとりしていたりするときは、ただの水ではなく別の液体が混ざっている可能性があるので、次の項目もチェックしてみてください。

黒・茶色の液体|エンジンオイルが漏れているかも

黒っぽい、または茶色っぽくてベタベタした液体が、エンジンの真下あたりに落ちている。この場合は、エンジンの中で使われているオイルがにじみ出ている可能性があります。新しいオイルはうすい茶色をしていますが、使ううちにだんだん黒っぽくなっていきます。部品をつなぐパッキンが古くなっていたり、フィルターがゆるんでいたりすることが、原因として考えられます。
→ ほんの少しにじんでいる程度なら、すぐに走れなくなるわけではありませんが、早めに整備工場で見てもらいましょう。

赤・赤茶色の液体|オートマのオイルなどかも

赤っぽい液体は、オートマ車の変速のために使われているオイルが漏れている可能性があります。このオイルは「ATF(オートマチックトランスミッションフルード)」と呼ばれています。車の中央付近から漏れている場合には、このオイルも候補のひとつになります。ギアが変わるときにガクッとした衝撃を感じたり、変速がスムーズにいかなくなったりする症状が、あわせて出ることもあります。
→ 赤い液体だからといって、必ずこのオイルとは限りません。早めに整備工場で見てもらいましょう。

緑・青・ピンクの液体|冷却水(クーラント)かも

緑や青、ピンクなど、はっきりした色がついていて、甘いようなにおいがする液体。これは、エンジンを冷やすための液体が漏れている可能性があります。この液体は「冷却水」や「クーラント」と呼ばれています。ラジエーターやホースが古くなっていたり、つなぎ目がゆるんでいたりすることが、原因として考えられます。冷却水が減った状態で走り続けると、エンジンを十分に冷やせなくなり、エンジンの温度が上がりすぎる「オーバーヒート」を起こすことがあります。最悪の場合、エンジンそのものが大きなダメージを受けることもあります。
→ 冷却水が漏れている可能性がある場合は、漏れている量や水温計のようすを確認する必要があります。原因がわからないまま長距離を走るのはさけて、早めに点検してもらいましょう。

透明〜うすい黄色の液体|ブレーキの液体かも

透明に近い、またはうすい黄色っぽくてねっとりした液体が、タイヤのあたりやブレーキのまわりから漏れている。これは、ブレーキの力をタイヤに伝えるための液体が漏れている可能性があります。この液体は「ブレーキフルード」と呼ばれています。これが足りなくなると、ブレーキを踏んだときの効きが悪くなったり、最悪の場合まったく効かなくなったりすることがあります。ブレーキを踏んだときにペダルがいつもより奥まで沈む感じがしたり、メーターにブレーキ関連の警告灯がついていたりするときは、そのまま走るのはとても危険です。
→ 自分で運転して移動しようとせず、レッカーを呼ぶことを検討してください。

 

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強いにおいがする液体|ガソリンかも

給油したあとや駐車しているときに、ツンとした強いにおいがして、車の後ろのほうや燃料タンクのあたりがぬれている。この場合は、ガソリンが漏れている可能性を考えてください。ガソリンはとても燃えやすいので、他のどの液体よりも慎重にあつかう必要があります。
→ エンジンをかけるのはもちろん、タバコなどの火を近づけるのも絶対にやめてください。車から少し離れて、車の販売店やロードサービス、入っている自動車保険のロードサービス窓口に連絡しましょう。

液体が落ちている場所から原因を絞る

色やにおいに加えて、車の前・真ん中・後ろのどのあたりに液体が落ちていたかも、正体をしぼりこむヒントになります。

車の前方
エンジンオイル/冷却水/ウォッシャー液

車の中央
エアコンの水/オートマのオイル/エンジンオイル

車の後方
ガソリン/デフオイル(後輪駆動・四輪駆動車の場合)

※部品の場所は車種によって違うため、場所だけで「これだ」と決めつけるのはむずかしいです。あくまで、色やにおいとあわせて考えるための、ひとつの手がかりとしてとらえてください。

 

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もし液体漏れとあわせてハンドルが重くなっているようなら、パワーステアリング系統の異常もあわせて確認しておきたいところです。くわしくはこちらの記事もどうぞ。

車の下の液体を自分で確認する方法

専門知識がなくても、次の順番で見ていけば大丈夫です。

  1. STEP1 車を安全な場所に停める
    交通のじゃまにならない、平らで安全な場所に停めましょう。
  2. STEP2 液体の位置を確認する
    車の前・真ん中・後ろ、どのあたりから落ちているかを見ます。
  3. STEP3 色を見る
    透明・黒・茶色・赤・緑・青・ピンク・黄色、どれに近いか確認します。
  4. STEP4 液体の見た目を確認する
    水のようにサラサラしているか、油のようにテカっているかを見ます。無理に触らなくても大丈夫です。
  5. STEP5 においを確認する
    とくに、強いガソリンのにおいがしないかを確認します。
  6. STEP6 メーターの警告灯を見る
    油圧警告灯、水温警告灯、ブレーキ警告灯がついていないか確認します。
  7. STEP7 わからなければ、無理に運転しない
    ここまで見ても正体がはっきりしないときは、自己判断せず専門のお店に相談してください。

地面の色と液体の色が近くて見分けにくいときは、車を動かしたあとの場所に白い紙や段ボールをしいておくと、次に見たときに色や落ちている位置がわかりやすくなります。

「少ししか漏れていないから大丈夫」は危ない

整備の現場では、駐車場に数滴しか液体が落ちていないからといって、「少ししか漏れていないので大丈夫」とは判断しません。車が停まっているときと走っているときでは、液体の漏れ方が変わることがあるからです。停まっているあいだはエンジンやポンプが動いていないため漏れが少なく見えますが、走っているあいだはエンジンの振動やポンプの圧力がかかり、停車中とは比べものにならないほど漏れ出すことがあります。つまり、地面に落ちている量だけで「これくらいなら平気だろう」と判断するのは、危険な考えかたです。とくにオイルまわりや冷却水は、漏れた量よりも「何が」「どこから」「どれくらいのペースで」漏れているのかのほうが、ずっと大事なポイントになります。液体の正体がはっきりわからないときは、自分だけで判断せず、専門のお店に見てもらってください。

液体漏れを放置するとどうなる?

「少しくらいなら」と放っておくと、それぞれこんなことにつながる可能性があります。

エンジンオイル
オイルが減った状態で走り続けると、エンジンの中の金属どうしがこすれやすくなり、エンジンの傷みが早まることがあります。

冷却水
冷却水が減ると、エンジンを十分に冷やせなくなり、オーバーヒートを起こすことがあります。エンジン本体に大きなダメージが出ることもあります。

ブレーキの液体
ブレーキの効きが悪くなったり、最悪の場合はブレーキがまったく効かなくなったりする危険があります。命にかかわる部分なので、もっとも注意が必要です。

ガソリン
燃えやすい性質があるため、火気があると火災につながる危険があります。少量でも軽く見ず、早めに専門のお店やロードサービスに相談しましょう。

よくある質問

Q. 車の下から赤い液体が漏れているのは危険ですか?

赤っぽい液体は、オートマのオイル(ATF)などが候補になります。車種によっては違う液体の場合もあります。すぐに命にかかわる危険度は高くありませんが、放っておくと変速の調子が悪くなることがあるので、早めに点検してもらいましょう。

Q. 車の下から緑色の液体が漏れている場合はどうすればいいですか?

緑色っぽい液体は、冷却水である可能性が高いです。冷却水はエンジンを冷やすための液体なので、これが漏れているとオーバーヒートにつながるおそれがあります。量が少なくても、乗るのはひかえて、早めに整備工場に相談してください。

Q. 夏に車の下から水が出てくるのは、故障ですか?

エアコンを使ったあとに、透明でサラサラした水が出てくるのは、たいていエアコンの水滴なので、故障ではありません。色がついていたり、ねっとりしていたりするときは、別の液体が混ざっているので、あらためて確認してみてください。

Q. オイルが数滴落ちているだけなら、そのまま乗っても大丈夫ですか?

ほんの少しなら、いますぐ走れなくなるわけではありません。ただ、記事の中でもお話ししたとおり、止まっているときの量だけで「安全」とはいえません。早めに見てもらったほうが安心です。

Q. ガソリンのにおいはするのに、液体そのものは見当たりません。どうすればいいですか?

ガソリンは少量でも、においだけ強く出ることがあります。液体が見えなくても、燃料まわりから漏れている可能性は完全には否定できないので、強いガソリンのにおいが続くようなら、エンジンはかけずに、販売店やロードサービスに相談してみてください。

Q. 雨の日でも、液漏れを確認することはできますか?

雨で地面がぬれていると、液体を見分けるのはむずかしくなります。できれば天気のいい日に、白い紙などをしいて確認してみてください。

Q. 車検で、液漏れを指摘されることはありますか?

液漏れのようすによっては、車検のチェックで指摘されることもあります。どんな基準で見られるかはケースによって違うので、くわしくは車検をお願いする整備工場や検査場に聞いてみてください。

まとめ|わからない液体なら、無理に走らない

車の下に液体が落ちているのを見つけると、誰でもちょっと不安になりますよね。透明でサラサラした、においのない水なら、エアコンの水として心配いらないことが多いです。一方で、色がついていたり、独特のにおいがしたり、ベタベタとねっとりしていたりする液体については、オイル漏れや冷却水漏れ、ブレーキの液体漏れ、ガソリン漏れなど、大きな故障や事故につながりかねない原因がかくれていることもあります。とくにブレーキの液体やガソリンっぽいと感じたときは、迷わず乗るのをやめて、専門のお店やロードサービスに相談してください。色・におい・ねっとり感・落ちていた場所をチェックして、それでも正体がわからないときは、無理に乗らないこと。迷ったら、乗らない。これがいちばん安全です。

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本記事は、自動車整備の現場での20年以上の経験をもとに執筆していますが、実際の状態は車種や使用状況によって異なります。判断に迷う場合は、必ず販売店や整備工場など専門店にご相談ください。

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