
新車保証で損しない為に トヨタの一般保証と特別保証を解説
車を新しく買うと、かならずついてくるのが「メーカー保証」です。お店の人から「一般保証は3年、特別保証は5年です」と言われても、正直「何がどうちがうのか、いまひとつわからない」という方は多いのではないでしょうか。保証書をわたされても、むずかしいことばがならんでいて、どこを見ればいいのかわかりにくいというお声もよくいただきます。
保証がついてくるのはわかるが、どんな保障なのか、どこが壊れた時に使えるかがわからないという方が多いように感じます。
この記事では、トヨタに焦点をあてての新車保証のきほんである「一般保証」と「特別保証」の違いについて解説していきます。あわせて、保証が切れたあとに使える延長保証のプランや、中古車を買うときに知っておきたい保証の引きつぎについてもふれていきます。
この記事で分かること
- 一般保証と特別保証、それぞれの対象になる部品と、保証される期間のちがい
- 保証の対象外になりやすい部品や、保証を受けられない使いかた・状況
- 中古車として車を買ったり売ったりするときの、保証の引きつぎかた
- メーカー保証が切れたあとに使える「保証がつくしプラン」の中み
目次
トヨタの新車保証とは
トヨタの車を新車で買うと、トヨタから「メーカー保証」がつきます。これは、車をつくるときや部品に原因がある不具合が起きた場合に、決まった期間・走行距離のはんいであれば、お金をはらわずに直してもらえるというしくみです。トヨタのメーカー保証は、大きく分けて「一般保証」「特別保証」「特定保証」「ボディの塗装と錆の保証」の4つでできており、電気自動車(BEV)については、これに加えて「BEVバッテリー保証」が用意されています。
ここで大切なのは、保証は「車を買えば自動でついてくるタダの安心材料」ではあるものの、対象になる部品と、ならない部品がはっきり分かれているという点です。次の章から、一般保証と特別保証について、それぞれくわしく見ていきます。
一般保証とは

一般保証は、トヨタが指定した対象外の部品や、特別保証・特定保証の対象部品をのぞく、ほぼすべての部品を対象にした、いわば土台となる保証です。保証される期間は、新車登録の日から3年間、かつその間であっても走行距離が6万キロメートルにたっした時点で終わります。エアコンやパワーウィンドウ、カーナビ、オーディオ、電動ドアミラーといった、走ることに直接かかわらない、快適な装備や電装品の不具合は、主にこの一般保証でカバーされます。
現場でよくあるのが、「保証の期間内だから」と持ちこまれた車のトラブルが、じつは使用することで減っていく部品だった、という場合です。一般保証は、あくまで部品の欠陥や不具合にたいする保証であり、時間がたつことによる劣化や減っていくそのものを保証するものではありません。この違いを知っておくだけでも、お店とのやり取りがスムーズになります。
メーカー保証による無料の修理は、買ったトヨタのお店に依頼するのが基本です。町の整備工場や車検のチェーン店、カー用品店などで起きた不具合について、そのままメーカー保証を使えるとはかぎりません。保証で直せるかどうかは、不具合の原因や、車の使いかた・整備の状況などをたしかめたうえで決められます。ふだんの点検や整備の記ろくを残しておくと、車の管理状況をたしかめやすくなります。トヨタのお店以外で、ふだんの点検や整備を受けている場合でも、点検の記録をきちんと残しておくこと、そして保証にかかわりそうな不具合が出たときは、早めにトヨタのお店に相談することをおすすめします。引っこしなどで、買ったお店に行けなくなった場合も、トヨタの系列であれば、近くのお店で保証の対応を引きついでもらえます。
特別保証とは

特別保証は、車が「走る・曲がる・止まる」という車の基本の性能や、乗っている人の安全に直結する、重要な部品を対象にした保証です。一般保証よりも保証される期間が長いのが特ちょうで、保証される期間は、新車登録の日から5年間、かつその間であっても走行距離が10万キロメートルにたっした時点で終わります。
対象になる部品は、エンジン機構、動力伝達機構、ステアリング機構、前後アクスル機構、電子制御機構、ブレーキ機構、乗員保護装置などです。ハイブリッド車では、これに加えて、ハイブリッドのしくみにかかわる部品が、特別保証の対象にふくまれます。
なぜこれらの部品だけ、保証の期間が長いのかというと、たんに「こわれると修理代が高くなりやすい」という理由だけでなく、走ることや安全そのものにかかわる部品だからです。トヨタとしても、こうした部品には品質のうえでより高い信頼性を求めて作っているため、保証の仕組みも手あつくなっていると考えられます。
特定保証とボディの塗装と錆の保証
トヨタのメーカー保証には、一般保証・特別保証のほかに、「特定保証」と「ボディの塗装と錆の保証」という保証もあります。特定保証は、一般保証・特別保証のどちらにも入らない、トヨタが車種ごとに個べつに指定した部品を対象にしたもので、保証される期間は部品によって決められます。
ボディの塗装と錆の保証は、ボディの外側の表面に出た錆と、塗装の下の鋼板から進んで穴があくところまで進んだ錆の、2つを対象にしています。ただし、取扱説明書どおりのお手入れをしていることが前提になっており、使っているうちに塗装をきずつけたことが原因の錆は対象外です。保証される期間は車種ごとにちがい、目安として塗装は3年くらい、穴あき錆は5年くらいとされています。
一般保証と特別保証の比較
| くらべる点 | 一般保証 | 特別保証 |
|---|---|---|
| 保証される期間 | 新車登録から3年間 | 新車登録から5年間 |
| 走行距離 | 6万kmまで | 10万kmまで |
| 主な対象部品 | 特別保証・特定保証の部品をのぞく、ほぼすべての部品(エアコン、パワーウィンドウ、カーナビなど) | エンジン、動力伝達機構、ステアリング、ブレーキ、乗員保護装置など、重要なはたらきをする部品 |
| 対象外の代表れい | タイヤ、12Vバッテリー、消耗する部品、油脂類 | 特別保証の部品いがいのすり減り・劣化 |
この期間や走行距離は、トヨタが出している情報にもとづくものです。ただし、車種や仕様(トラック、架装車など)によって、こまかい対象部品や年数がちがう場合があるため、正かくな中みは、ご自分の車の保証書、またはトヨタのお店の案内でたしかめることをおすすめします。
保証の対象外となる部品

一般保証・特別保証のどちらにも、あらかじめ「対象外」と決められている部品があります。保証があるからと安心していたら、じつは対象外の部品だった、というのはよくあるかんちがいです。トヨタの保証書に書かれている、代表的な対象外の部品を整理しておきます。
| 対象外の部品・項目 | 対象外とされる理由 |
|---|---|
| タイヤ | 走ることで減っていく消耗する部品のため |
| ワイパーゴム | 年数や使ううちに劣化する消耗する部品のため |
| ブレーキパッド | 使ううちに減っていく消耗する部品のため |
| 12Vバッテリー | 時間がと共に劣化、消耗する部品のため |
| 各種油脂類(エンジンオイルなど) | 定期的な交換しなければいけないため |
| 納車後に取りつけ・改造した部品(純正の指定品いがい) | トヨタが指定した部品でない場合は、対象外になることがあるため |
これらは、トヨタの保証書に書かれている、対象外の代表的な例をもとにしたものです。対象外になる部品や条件は、車種によってちがう場合があるため、正かくなはんいは、ご自分の車の保証書でたしかめてください。
保証の対象外になっている部品は、基本的にはお金をはらう修理になります。ただし、その判断はトヨタやお店で判断するものであり、状況によって、対応が変わる場合もあります。「対象外だから」と決めつけずに、まずは買ったお店に、状況を伝えて相談してみてください。
保証を受けられない場合
ここまで見てきた「対象外の部品」とはべつに、対象になる部品であっても、保証の修理を受けられないことがあります。トヨタの保証書には「保証しない事項」として、つぎのような場合が書かれています。
使う人側の問題によるもの
取扱い説明書に書かれた方法と違う使いかたをしていた場合や、正しくない保管、サーキット走行やレース・ラリーといった、とくべつな条件での使用、荷物のつみすぎ、エンジンの回しすぎなどが原因の不具合は、保証の対象外です。また、トヨタ純正の消耗部品や、指定された油脂類いがいを使ったことが原因の不具合、トヨタが出荷したあとに、トヨタ以外の人が取りつけた部品や、トヨタ以外の人による修理・改造が原因の不具合も、対象外とされています。日常の点検や法律で決められた点検、指定された部品の交換をおこたっていた場合も、保証の修理を断られることがあります。
外からの要因や天災によるもの
地震、台風、水害といった天災、火事や事故が原因の不具合は、保証の対象外です。また、飛び石、酸性雨、塩がい、鳥のふん、薬品、鉄粉、けむり、火山灰といった、外からの要因による不具合も対象外とされています。
時間がたつことによる劣化や自然な現象
消耗する部品や油脂類のすり減り・劣化、内そうの部品や樹脂の部品、塗装面、メッキ面などの自然な色あせ・劣化といった、ふつうに使っていて起きる時間のへんかは、保証の対象になりません。また、音や振動、オイルの滲み、操作の感じかたなど、車の働きに影響がないと、一般に認められている現象も対象外です。走っているときの飛び石などでボディについた傷やへこみも、この劣化とはべつですが、同じように対象外とされています。
そのほかの対象外の事項
普通に注意していれば見つけられたはずの不具合を、そのままにしておいたことで、ひがいが大きくなった場合や、整備のミスが原因の不具合も対象外です。ハイブリッド車やプラグインハイブリッド車、燃料電池車(FCEV)の、走るための電池について、使ううちに自然に力が落ちること自体は、保証の対象になりません。なお、保証で直る場合でも、レンタカー代や宿泊代、休業の保証といった、車を使えなかったことによる、まわりまわった損害を、トヨタが払うことはありません。
中古車として購入・売却する場合の保証の引き継ぎ

トヨタの新車保証は、車を手ばなした後も、決まった条件のもとで、つぎの持ち主に引きつぐことができます。これを二次保証と呼びます。一般保証が新車登録から3年以内、特別保証が5年以内の車であれば、名義変こうの手つづきとあわせて、トヨタのお店で二次保証の手つづきを行うことで、残りの保証の期間を引き続き使えるとされています。ただし、条件の詳しい中身は、車種によって違う場合があるため、正確な中身はお店で確かめてください。
ここで大切になるのが、保証書やメンテナンスノートがあるかどうかです。二次保証の手つづきには、車のじょうほうや、点検・整備の記録が書かれた、これらの書類が必要になります。書類が手もとにない中古車の場合、保証を引きつげない、あるいはとても手間がかかる場合もあります。中古車を買うときは、保証の期間が残っているかどうかだけでなく、保証書やメンテナンスノートがすべてそろっているかも、合わせて確かめることをおすすめします。
中古車の商だんでは、走行距離ばかりに目がいきがちですが、保証ののこり期間も、車のじっしつ的な価ちを左右する大切な要そです。同じ年式・同じ走行距離の車でも、特別保証がのこっているかどうかで、そのあとにかかる維持費が大きく変わることがあります。
保証期間が終わったあとの選択肢「保証がつくしプラン」

トヨタのメーカー保証には、終わりがあります。保証の期間が終わったあとも、同じような安心を持ちつづけたい場合、トヨタのお店が用意しているのが「保証がつくしプラン(メーカー保証延長プラン)」です。これはトヨタのお店が独自に用意している保証のしくみで、メーカー保証と保証の範囲が一部違う点に注意が必要です。プランには「新車コース」と「車検コース」の2種類があります。
新車コース
新車コースは、新車登録のときから、3年または6万キロメートルで終わる一般保証を、新車を買ってから5年、または10万キロメートル走行の時点のどちらか早いほうまで、のばせるプランです。保証の中みは一般保証と同じですが、ボディの内がわ・外がわの部分、消耗品や油脂類、タイヤ、バッテリー、後から取りつけ・改造した部品などは対象外になります。
車検コース
車検コースは、車検のタイミングにあわせて入るプランで、3年目の車検のときから入れる「3年目車検コース」と、5年目の車検のときから入れる「5年目車検コース」が用意されています。3年目車検コースは、車検から2年間、または10万キロメートル走行の時点のどちらか早いほうまで保証されます。なお、特別保証の部品とされる、エンジンやブレーキなどの重要な部品については、5年目車検コース以降に入った場合のみ、保証の対象になるあつかいです。また、3年目車検コース(または新車コース)に入っていた人が、同じお店で5年目車検コースに入ると、継続割引が使える場合があります。
「保証がつくしプラン」は、トヨタのお店ごとの保証のしくみであるため、保証の範囲や金額の詳しい中身は、お店によって違う場合があります。正各な中身や入る条件は、お近くのトヨタのお店に直接お問いあわせください。
整備士としてお伝えしたいこと
保証の中身を正しくわかっておくことは、いざというときにお金がかかるのを防ぐだけでなく、普段の車とのつきあいかたにも関わってきます。現場で感じるのは、保証の期間内であっても、日ごろの点検やオイル交換といった、基本のお手入れをおこたっていると、不具合の原因が「整備不良」と見なされて、保証の対象外になってしまう可能性がある、ということです。保証は、あくまで正しく使い方、整備されていることが重要です。
また、少しでもいつもと違う感じに気づいたら、保証の期間内のうちに、早めに点検を受けることをおすすめします。保証が切れたすぐあとに、不具合がはっきりしてしまうと、たとえその原因が保証の期間中にあったとしても、証明が難しくなり、お金をはらう修理になってしまうことがあるためです。普段の点検の記録をきちんと残しておくことも、あとあとの二次保証や、中古車として売るときに役立ちます。
よくある質問
まとめ
一般保証は、車のほとんどの部品を対象にした、基本の保証。特別保証はエンジンやブレーキなど、走ることや安全に直結する重要な部品を、新車登録から5年間・10万キロメートルまでカバーする保証です。トヨタではこれに加えて、特定保証やボディの塗装と錆の保証もあり、保証の期間が終わったあとは「保証がつくしプラン」で、お金をはらって延長することもできます。こまかい対象部品や年数は車種によって違うため、最後はご自分の保証書で確かめることがかかせません。
保証の仕組みをわかっておくことは、いざというときにお金がかかるのを防ぐだけでなく、中古車として売ったり買ったりするときにも役立ちます。普段の点検をかかさず、保証書やメンテナンスの記録を大切に保管しておくことが、車を長く安心して乗りつづけるための、初めの一歩になります。
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