ここ近年、害獣被害が拡大して、ニュースでも取り上げられる機会が増えています。
害獣といってもたくさんいますが、そのなかでもハクビシンの被害は困ったものがあります。夜中に天井裏から「ドタドタ」と走り回る音がする。庭の柿やぶどうが、収穫前に食べられていた。ベランダや軒下に、においの強いフンが残っていた。そんな様子があれば、ハクビシンが住みついているかもしれません。
ハクビシンは、木や雨どいを器用に登る夜行性の動物です。一度すみかにされると、音やにおい、フンの汚れで毎日嫌なおもいで過ごさなければいけなくなります。ただし、自分でできることはたくさんあります。この記事では、ハクビシンを寄せつけないための方法を10個にまとめ、おすすめのグッズの選び方も説明します。
この記事で分かること
- ハクビシンの習性、来ているサインの見分け方
- 自分でできる撃退・予防の方法10選
- グッズの選び方
- 自分で対応してはいけない場合と相談先
追い払うだけではだめ
ハクビシンは、ネズミなどと違って「鳥獣保護管理法」という法律で守られている野生動物です。そのため、自分で捕まえたり、傷つけたりすることはできません。捕獲には、市区町村などの許可が必要になるので注意が必要です。
では、自分で何をすればよいのでしょうか。答えは「来にくい環境をつくる」ことです。エサをなくし、入り口をふさぎ、足場をなくす。この3つが大事になります。忌避剤や撃退器などのグッズは、その土台を助けるものです。
ハクビシンの習性を知っておきましょう

対策を選ぶときは、相手の動き方を知っておくと迷いません。ここでは、ハクビシンの主な習性を説明します。なお、野生動物のため、すべてが同じ行動をとるとは限りません。こんな習性があるという目安です。
活動は夜型です
ハクビシンは、おもに夜に活動します。昼間は、木のうろや建物のすき間などで休んでいることが多いといわれます。そのため、被害に気づくのは、夜中の物音や、朝に見つけた食べ跡やフンがきっかけになりがちです。昼間に姿を見かけないからといって、いないとは限りません。
木登りが得意
手足の爪とバランス感覚を使い、木、雨どい、電線、塀の上などを器用に歩きます。地面だけでなく、高い場所を通って屋根に上がることもあります。「2階だから大丈夫」とは考えず、屋根まわりの足場もあわせて見直しましょう。
果物が好きな雑食
ハクビシンは、果物、野菜、小さな虫、小動物など、いろいろなものを食べる雑食の動物です。なかでも、甘く熟した果物をねらうことが多いと知られています。庭の果樹や、落ちた実、生ごみ、ペットのエサがあると、そこが「食事の場所」になって住み着いてしまいます。
同じ場所にフンをする「ため糞」の習性
決まった場所に、くり返しフンをする習性があるといわれます。屋根裏や庭の一角にフンがまとまって見つかる場合は、そこがすみかや通り道になっている可能性があります。においや汚れが広がりやすいので、見つけたら早めに安全に片づけましょう。
同じ道を通りやすく、静かで暗い場所を好みます
ハクビシンは、いつも通る道を決めて動くことが多いといわれます。同じ時間帯に、同じ塀や屋根を通っているなら、そこに対策をしましょう。また、暖かく、暗くて、人の出入りが少ない場所をすみかにしやすく、屋根裏や床下、物置などが選ばれることが多いです。
習性から分かる対策の考え方
夜に来て、高い場所を通り、果物をねらい、同じ道を使う。この動きが分かると、センサーライトは通り道に、ネットは果樹に、足場の整理は屋根まわりに、というふうに、置く場所を考えやすくなります。
ハクビシンが来ているサイン

対策の前に、本当にハクビシンなのかを確認します。よく見られるサインは、天井裏からの足音、同じ場所にまとまったフン、庭の果物の食べ跡、柱や壁についた足あと、そして独特のにおいです。ただし、アライグマやイタチ、ネズミなどでも似た被害が出ることがあります。種類によって対応が変わるため、はっきりしない場合は、後で説明する自治体や専門業者に相談するのが安心です。
フンを片づけるときの注意
野生動物のフンには、病原体や寄生虫がついている可能性があります。素手でさわらず、使い捨て手袋とマスクをつけて、袋に入れて処分してください。片づけたあとは、手をよく洗い、その場所を消毒すると安心です。
ハクビシン撃退方法10選

1. 侵入口と通り道を見つける
最初にやることは、どこから入っているかの確認することです。進入経路は屋根と壁のすき間、換気口、軒下、基礎まわりなどを確認します。ハクビシンは、思ったより小さなすき間からも入れるといわれています。「ここは大丈夫だろう」と決めつけず、建物をぐるりと一周して確かめましょう。夜に家族の協力を得て、音がする場所を探すのも手がかりになります。
2. 侵入口を金網などでふさぐ
入り口が見つかったら、金網やパンチングメタルでふさぎます。ビニールや木の板だけだと、かじられたり押し破られたりすることがあります。金属製で、ねじや釘でしっかり固定できるものを選びましょう。
ふさぐ前の確認
天井裏などに動物が中にいる状態でふさぐと、出られなくなってしまいます。また、動物の子どもが中にいる時期にふさぐと、親だけが外に出てしまうおそれもあります。中に動物がいる可能性が少しでもあれば、ふさぐのは後にして、先に追い出す対策か、専門業者への相談を考えてください。
3. エサになるものを片づける
ハクビシンは、果物が大好きな雑食の動物です。庭の柿、ぶどう、いちじくなどは、熟す前に早めに収穫します。落ちた実もそのままにせず、こまめに拾いましょう。あわせて、生ごみは夜のうちに外に出さない、ペットのエサは出しっぱなしにしない、コンポスト(生ごみたい肥)はふたをしっかり閉める、といった工夫も大切です。エサがない場所には、だんだん来なくなります。エサが一番の住み着くもとになります。
4. 足場になる枝や配管を整理
ハクビシンは、木の枝、雨どい、電線、ブロック塀などを伝って二階や屋根に上がります。屋根にかかる枝は切ってしまい、足場になりそうな物は片づけます。雨どいや配管には、すべりやすい板や筒状のカバーを巻く方法も有効です。高い場所での作業は危険ですので無理せずに必要なら業者に頼みましょう。
5. センサーライトで急な光を当てる
夜に動く動物は、急に明るくなると警戒します。人の動きを感じて光るセンサーライトは、取りつけが簡単で、庭や軒下の入り口対策に向いています。ただし、慣れてしまう個体もいるため、これだけで安心せず、ほかの対策と組み合わせて使いましょう。
6. 忌避剤でにおいを嫌がらせる
動物はにおいに敏感なのでハッカ油や木酢液、市販の動物用忌避剤など、においで近づけにくくする方法です。手軽に始められるのが利点ですが、雨で流れたり、時間とともににおいが薄れていきます。効果にも個体差があるため、定期的にまき直す前提で使いましょう。使う前には、必ず商品の説明書を読み、ペットや植物に影響がないかも確認してください。
7. 超音波・ストロボタイプの撃退器を使う
動物が嫌がる音や光を出す機器です。屋外用で防水のものを選び、設置場所は通り道に向けます。便利な一方で、同じ刺激に慣れてしまうことがあるため、置きっぱなしにせず、位置を変えたり、他の対策と併用したりすると有効です。
8. センサー式の散水器で水をかける
動物が近づくと水が出る装置です。庭の入り口や果樹のまわりに置くと、驚かせる効果が期待できます。電源が不要なソーラー式や、ホースにつなぐタイプがあります。寒い地域では凍結に注意し、冬は使い方を変える必要があります。
9. 防獣ネット・トゲマット・電気柵で通り道をさえぎる
畑や果樹を守りたいときは、物理的に入ってこれなくするのがいいです。果樹全体をネットで覆うか塀の上にトゲ状のシートをつける。その他に低い位置に電気柵を張るといった方法があります。電気柵は、電気をつかうので安全上のルールや設置の決まりがあります。必ず説明書を守り、人や子どもが触れないように注意してください。
10. 自治体や専門業者に相談する
すでに天井裏に住みついている、被害が続いている、子どもがいるかもしれない、といった場合は、無理に自分で解決しようとしないでください。まずは、お住まいの市区町村の窓口に相談します。捕獲の許可や、対応してくれる業者の案内をしてもらえることがあります。専門業者に頼む場合は、調査・追い出し・封鎖・清掃・再発防止までを含めた内容か、料金の内訳が明確かを確認しましょう。
10の方法を比べてみましょう

| 方法 | 向いている場面 | 続けやすさ | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 侵入口の確認・封鎖 | 建物への侵入を防ぎたい | 一度しっかりやれば長持ち | 中に動物がいないか確認 |
| エサ・足場の整理 | すべての家庭の土台 | 習慣にすれば楽 | 高所作業は無理をしない |
| センサーライト・撃退器 | 庭や軒下の予防 | 設置は簡単 | 慣れる個体がいる |
| 忌避剤 | すぐ試したいとき | まき直しが必要 | 効果は一時的で個体差あり |
| ネット・電気柵 | 果樹や畑を守りたい | 設置に手間がかかる | 安全面のルールを守る |
| 自治体・業者に相談 | すでに住みついている | 状況に合わせて対応 | 費用と作業内容を確認 |
グッズ選びで失敗しないために
グッズを選ぶときは、何に対策するかです。家の中への侵入を防ぎたいなら、金網や防獣ネットなど、物理的にふさぐ道具が中心です。庭や果樹を守りたいなら、センサーライトや散水器などの威嚇系を組み合わせます。すぐに試したいなら、忌避剤から始める方法もあります。
どのグッズも、これ1つで完全に防げるものではありません。口コミや商品説明で「効果抜群」とあっても、家の状況やハクビシンの個体によって結果は変わります。屋外で使うなら防水性、電池や電源の方式、設置の手間、お手入れのしやすさも見ておきましょう。
侵入口をふさぐ金網、防獣ネット、センサーライトなどをまとめて探せます。
まとめ
ハクビシン対策でいちばん大切なのは、「ここは居心地がよくない」と思わせることです。エサをなくし、足場を減らし、入り口をふさぐ。この土台の上に、センサーライトや忌避剤、ネットなどのグッズを重ねていくと、無理なく続けやすくなります。
すでに住みついている場合や、子どもがいそうな場合は、自分だけで抱え込まず、早めに自治体や専門業者に相談してください。まずは今日、庭の落ちた果物を拾い、建物のまわりを一周して、入り口になりそうな場所を探すことから始めてみましょう。

コメント