車検で不合格になる意外な10項目|吸盤・ステッカー・ドラレコは大丈夫?

車検で不合格になる意外な10項目|吸盤・ステッカー・ドラレコは大丈夫?

みんな付けてるからと言ってフロントガラスに吸盤のお守りやぬいぐるみを付けていませんでしょうか?ドライブレコーダーやテレビ用のフィルムアンテナなどは貼れる範囲が決まっているて知っていますか?

実は車検では、ブレーキやタイヤだけでなく、フロントガラスに取り付けた小物やダッシュボードの置物など、視界を妨げるものや保安基準を満たさない装飾品が意外な原因で不合格になることがあります。特にフロントガラスの吸盤式ホルダーやステッカーは、指摘されやすい代表的な項目です。

私は20年以上整備士として多くの車検に携わってきましたが、「こんな小さな物で落ちるなんて知らなかった」と驚かれるお客様を何度も見てきました。

この記事では、車検で見落としがちな不合格項目を実例を交えながら分かりやすく解説します。実は道路交通法に違反していたなんてことがなくなります。

この記事で分かること

  • フロントガラスの吸盤やステッカーがなぜ車検に通らないのか
  • ドライブレコーダーやレーダー探知機の正しい取り付け位置
  • お守り・ぬいぐるみ・LEDテープなど内装小物の注意点
  • 車検前に自分でできる簡単なチェックリスト

車検で「ちょっとした物」が不合格になる

車検というと、エンジンオイルの汚れやブレーキパッドの残量、タイヤの溝といった機械的な部分をチェックするイメージを持っている方が多いと思います。もちろんそれも重要な検査項目ですが、実は運転席まわりの「視界」に関する基準も同じくらい厳しく見られています。

国が定める道路運送車両の保安基準では、運転者の前方や側方の視界を妨げるものをフロントガラスに取り付けることを認めていません。これは車検に通すためだけのルールではなく、発進時や走行中に歩行者や他の車両を見落とさないようにするための、安全に直結した基準です。視界を妨げる装着物が原因の交通事故は決して他人事ではないと感じます。

お客様からよく「こんな小さいものが車検に関係あるんですか」と驚かれるのですが、大きさの問題ではなく「視界を遮る位置にあるかどうか」が判断基準になります。同じ大きさのステッカーでも、貼る場所がフロントガラスの上端か中央付近かで判断が変わることもありますし、検査員によっても細かな見え方の判断には多少の差が出ることがあります。だからこそ「前回は大丈夫だったから今回も平気」と思い込まず、法律に違反しているから外しておくことが大事です。

また、こうした指摘は車検の合否だけの話にとどまりません。視界を妨げる状態のまま公道を走ること自体が、本来望ましくない状態です。車検はあくまで基準を満たしているかどうかを確認する場であり、本当の意味は「安全に運転できる状態を保つこと」にあるという点も、あわせて意識しておいていただきたいと思います。

なお、すべての装着物が一律にダメというわけではありません。ETCアンテナやVICSアンテナ、雨滴を検知して自動でワイパーを動かすためのレインセンサー、日射を検知するセンサーなど、車の機能として必要な機器については、視界を妨げない範囲であることを前提に取り付けが認められています。つまり「フロントガラスに何も付けてはいけない」のではなく、「視界を妨げる形で付けてはいけない」というのが正しい理解です。この違いを押さえておくと、次の章以降の内容も理解しやすくなります。次の章から、具体的にどんなものが引っかかりやすいのかを順番に見ていきましょう。

フロントガラスの吸盤式スマホホルダー

もっとも多いのが、フロントガラスに吸盤で貼り付けるタイプのスマートフォンホルダーです。ナビ代わりにスマートフォンを使う方が増えたことで、フロントガラス中央付近に吸盤ホルダーを取り付けている車を本当によく見かけます。

実はフロントガラスに吸盤で物を貼り付ける行為そのものが保安基準の対象になります。スマートフォンホルダー自体が違法というわけではなく、貼り付ける場所がフロントガラスであることが問題なのです。同じホルダーでも、ダッシュボードの上に置くタイプやエアコンの吹き出し口に挟むタイプであれば、視界を妨げにくいため基準の対象になりにくくなります。

買い替えを検討している場合は、ダッシュボードに設置する固定式やエアコン吹き出し口に取り付けるタイプのホルダーを選ぶと、車検のたびに外す手間もなくなります。

なお、初心者マークやクローバーマークを吸盤でフロントガラスに貼っている車もときどき見かけますが、これも同じ理由で指摘の対象になります。マグネットタイプやボディに貼り付けるタイプに変更するか、車内で携帯するようにすると大丈夫です。

お守り・ぬいぐるみ・マスコット

ルームミラーに下げるお守りや、ダッシュボードに置くぬいぐるみも、位置によっては視界を妨げるものとして指摘されることがあります。特にルームミラーからお守りを複数個ぶら下げている場合や、大きなぬいぐるみをダッシュボード中央に置いている場合は要注意です。

お守り一つ程度であれば問題にならないことが多いのですが、数を増やすほど視界を遮る面積が広がり、検査員の判断で指摘対象になる可能性が上がります。大切なお守りを外したくないという方は、キーホルダーとして携帯するか、フロントガラスから離れた場所に付け替えることをおすすめします。

また、ダッシュボードに大きな置物を載せている場合、視界の問題だけでなく、急ブレーキ時に物が飛んでくる危険や、万が一の事故の際にエアバッグが正常に作動しにくくなる可能性も考えられます。車検対策としてだけでなく、安全のためにもダッシュボード上はできるだけすっきりさせておくことをおすすめします。

整備士としての実例です。ダッシュボードの端に小さなフィギュアを何個も並べているお車を見たことがありますが、この場合は視界そのものよりも、走行中に物が動いて運転席側に転がり込んでくる危険性の方が気になりました。車検の指摘があるかどうかにかかわらず、走行中に動く可能性のあるものはできるだけ固定するか、収納スペースにしまっておくことをおすすめします。

ドライブレコーダーの取り付け位置

今やほとんどの車に付いているドライブレコーダーですが、取り付け位置によっては車検で指摘される場合があります。前方を撮影するカメラについては、国が定める要件を満たせばフロントガラスへの取り付けが認められていますが、どこでも良いわけではありません。

目安としては、ルームミラーの裏側など、運転者の視界にできるだけ入らない位置に、カメラ部分をコンパクトにまとめて設置することが基本です。取り付け位置がフロントガラスの中央下寄りに大きくはみ出していたり、配線がむき出しで視界を横切っていたりすると、指摘の対象になることがあります。

整備士としての実例です。配線をフロントガラスの端に沿ってきれいに這わせず、視界の中央付近を横切るように配線してしまっているケースを何度も見てきました。ドライブレコーダー本体だけでなく、配線の取り回しも視界に影響することを覚えておいてください。

取り付けに自信がない場合は、購入店やカー用品店での取り付け作業を依頼すると、位置や配線について適切なアドバイスをもらえます。

最近は運転者の様子を撮影する車内向けカメラが付いたタイプも増えています。こちらもフロントガラスに向けて設置することが認められていますが、本体が大きく視界の中央にかかるような取り付け方をすると指摘の対象になり得ます。前方用と車内用の2つのカメラを取り付ける場合は、どちらもできるだけ小型で視界の端に寄せられる製品を選ぶと安心です。

 

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レーダー探知機

 

レーダー探知機についても、ドライブレコーダーと同様に取り付け位置が重要です。ダッシュボードの上に据え置くタイプが多いですが、フロントガラス寄りに大きく突き出すような設置をすると、視界を妨げるものとして指摘される可能性があります。

できるだけ運転席から見て低い位置、かつフロントガラスの端に寄せて設置することを心がけると、視界への影響を抑えられます。両面テープでの固定が緩んで角度がずれてしまっている場合もよく見かけますので、定期的に固定状態を確認しておくと安心です。

整備士としての実例です。据え置き型のレーダー探知機を、両面テープではなく市販の粘着ジェルパッドで固定している方がいらっしゃいましたが、走行中の振動で少しずつ位置がずれ、車検時には想定より視界寄りに移動してしまっていたことがありました。固定方法によっては時間の経過とともに位置がずれることもあるため、車検前には現在の設置位置を一度見直しておくと安心です。

 

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フィルム・ステッカーの透過率基準

フロントガラスや運転席・助手席側面のガラスには、可視光線透過率という基準があります。これはガラスがどれだけ光を通すかを示す数値で、フロントガラス、運転席、助手席の3面については、この数値が70パーセント以上であることが求められます。透明なフィルムであれば問題になりにくいのですが、スモークフィルムやミラーフィルムなど色の濃いフィルムをこの3面に貼ると、車検に通らない可能性が高くなります。

ここで注意したいのは、透過率はフィルム単体の数値ではなく、ガラスとフィルムを合わせた状態で測定されるという点です。フィルム自体が70パーセント以上の透過率をうたっていても、もとのガラスとの組み合わせによっては基準を下回ることがあるため、施工後に実測してもらうことをおすすめします。なお、後部座席側面とリアガラスにはこの透過率の規制がありません。

ステッカー類についても同様で、「フロントガラスに貼ってよいものは検査標章や保安基準適合標章」など、指定されたものに限られています。応援しているチームのステッカーやお気に入りのロゴステッカーをフロントガラス上部に何枚も貼っている場合、視界を妨げるものとして指摘される可能性がありますので、貼るのであればリアガラスやサイドガラスの範囲内にとどめておくと安心です。

年数が経過したフィルムは、紫外線の影響で徐々に透過率が下がっていくことがあります。貼った当初は問題なかったフィルムでも、経年劣化によって基準を下回ってしまうケースがありますので、古いフィルムを貼ったまま長年乗っている車は一度確認しておくと安心です。

また、透明な断熱フィルムであれば透過率の基準をクリアしやすいのですが、その上からロゴやワンポイントのステッカーを重ねて貼ってしまうと、その部分だけ透明ではなくなり、視界を遮るものとして扱われることがあります。デザイン性を高めたい気持ちは分かりますが、フロントガラスに関しては装飾を最小限にとどめておくのが無難です。

LEDテープや室内照明

近年人気の室内用LEDテープや、フットランプなどの後付け照明についても注意が必要です。色や取り付け位置によっては、対向車や周囲の車から見て紛らわしい光として判断され、指摘の対象になることがあります。特に、外から赤色や青色に見える照明は、緊急車両や信号と誤認される恐れがあるため厳しく見られる傾向にあります。

室内を彩る目的で取り付ける場合は、外部から見えにくい位置に設置し、色についても事前によく確認しておくことをおすすめします。判断に迷う場合は、取り付け前にカー用品店や整備工場に相談すると安心です。

整備士としての実例です。フットランプを社外品に交換していたお車で、光が強すぎてフロントガラスに反射し、夜間の運転時にドライバー自身の視界を妨げてしまっていたケースがありました。これは車検の指摘というよりも、運転する本人にとっての見えにくさの問題でしたが、明るさや色を選ぶ際には周囲からどう見えるかだけでなく、自分の視界にどう影響するかという点も意識しておくとよいと思います。

社外ホーン・マフラーなどの装着品

フロントガラスまわりの小物とは少し違いますが、社外品のホーンやマフラーも車検でよく指摘される項目です。音量が大きすぎるホーンや、規定の音量基準を超えるマフラーに交換していると、たとえ見た目に問題がなくても不合格になります。

特にマフラーは、車検証に記載されている型式と異なる形状に交換している場合、事前に構造変更の手続きが必要になることがあります。手続きをしないまま交換してしまうと、車検の際に指摘されるだけでなく、それまでの公道走行自体が保安基準に適合していない状態だったということにもなりかねません。社外パーツへの交換を検討する際は、車検対応品であるかどうかを購入前に必ず確認してください。

整備士としての実例です。中古で購入した車に、前のオーナーが取り付けた社外マフラーがそのまま付いていて、車検の直前になって初めて音量基準を超えていることが分かったというケースがありました。中古車を購入する際は、外装や内装だけでなく、こうした装着パーツについても純正状態からどう変更されているかを確認しておくと、後々のトラブルを防ぎやすくなります。

ここまで紹介してきた項目を、簡単な早見表にまとめました。取り付け場所を検討する際の参考にしてください。

項目 フロントガラス中央付近 おすすめの対処
吸盤式スマホホルダー 指摘の可能性が高い ダッシュボード設置型や吹き出し口取り付け型に変更
お守り・マスコット 数や大きさによって指摘の可能性あり キーホルダーとして携帯するか別の場所へ
ドライブレコーダー 基準を満たせば取り付け可能 ルームミラー裏など視界の端に小型でまとめる
レーダー探知機 大きく突き出すと指摘の可能性あり 低い位置かつ端に寄せて固定
色付きフィルム 透過率70%未満は不可 施工後に実測してもらう

その他にも注意したい項目

フロントガラスまわりの小物以外にも、見落とされがちなポイントがいくつかあります。ここで簡単に触れておきます。

まず、ナンバープレートカバーです。ナンバープレートの文字が読み取りにくくなるような色付きカバーや、光を反射して視認性を下げるタイプのカバーは、保安基準に適合しないと判断される場合があります。透明で歪みのないカバーであれば問題になりにくいのですが、装着している方は一度、離れた位置から番号がはっきり読めるかを確認しておくと安心です。

次に、テールランプやウインカーへの着色フィルムです。見た目をスモークっぽく仕上げたいという理由で、灯火類にカラーフィルムを貼っている車を見かけることがありますが、灯火の色にはそれぞれ細かい基準が定められています。フィルムを貼ることで本来の色合いから外れてしまうと、車検で指摘される可能性が高くなります。ドレスアップとして人気のカスタムではありますが、灯火類に手を加える場合は特に慎重な確認が必要です。

整備士としての実例です。ウインカーのレンズにスモークフィルムを貼っていたお車で、点灯時の色が基準からわずかに外れてしまい、フィルムを剥がして再検査になったケースがありました。見た目の変化はわずかでも、灯火の色に関する基準は数値で細かく決まっているため、少しの違いでも判定に影響することがあります。

 

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よくある質問

Q. 吸盤ホルダーは車検の日だけ外せば大丈夫ですか。

はい、車検当日にフロントガラスから外してあれば、その日の検査自体は通ります。ただし公道を走る際に再び取り付けてしまうと、保安基準に適合しない状態での走行になってしまいますので、車検後の使用方法についてもあわせて見直すことをおすすめします。

Q. お守りは絶対にダメなのでしょうか。

お守り一つ程度であれば問題にならないことが多いですが、数や大きさ、下げる位置によっては視界を妨げるものとして指摘される可能性があります。確実に避けたい場合は、キーホルダーとして携帯するなど、フロントガラス周辺以外の場所に付け替えることをおすすめします。

Q. ドライブレコーダーはどこに付ければ確実ですか。

ルームミラーの裏側など、運転者の視界にできるだけ入らない位置への取り付けが基本です。ただし、車種やガラスの形状によって適切な位置は異なりますので、購入店やカー用品店に相談しながら取り付けることをおすすめします。

Q. 昔から付けているステッカーが急に指摘されることはありますか。

あります。以前の検査で見落とされていただけで、実際には基準を満たしていなかったというケースは珍しくありません。長年問題がなかったからといって、次回の車検でも同じ判定になるとは限らない点は覚えておいてください。

Q. フロントガラスのフィルムが車検に通るか自分で確認する方法はありますか。

市販の透過率測定器を使えば自分で確認することもできますが、精度の高い測定にはある程度の知識が必要です。確実に確認したい場合は、フィルムを施工した業者やカー用品店、指定整備工場で測定してもらうことをおすすめします。特に施工から年数が経っているフィルムは、経年劣化で数値が変わっている可能性もあるため、心配な方は一度測ってもらうと安心です。

Q. 車検に不安がある場合、事前に相談できる窓口はありますか。

お近くの指定整備工場やディーラー、車検代行業者であれば、車検を予約する前の段階でも相談を受け付けてくれることが多いです。今回紹介したような視界まわりの項目は、写真を見せるだけである程度アドバイスをもらえることもありますので、不安な点があれば予約前に一度問い合わせてみることをおすすめします。

まとめ

車検で不合格になる原因は、エンジンやブレーキといった大がかりな部分だけとは限りません。フロントガラスの吸盤ホルダーやお守り、ドライブレコーダーの取り付け位置、濃い色のフィルムやステッカーなど、日常的に気づきにくい「ちょっとしたもの」が原因になることが数多くあります。

これらはいずれも、車検に通すためだけのルールではなく、運転中の視界を確保して事故を防ぐための基準です。車検の予約前に一度、運転席に座って周囲をぐるりと見渡し、視界を妨げているものがないか確認してみてください。少しの手間をかけるだけで、当日の不合格や余計な出費を防ぐことができます。

また、今回紹介した項目の多くは、車検のときだけ一時的に外せば済むものではなく、普段の運転にも関わってくる内容です。せっかく取り外すのであれば、この機会に車内の環境そのものを見直し、視界の良い状態を保ちながら運転する習慣をつけていただければと思います。長年整備の現場に立ってきた立場から言えることは、車検で指摘される項目の多くは、実際の事故のリスクとも重なっているということです。基準を満たすことをゴールにするのではなく、安全に運転できる状態を保つための目安として、ぜひ日頃から意識してみてください。

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