ディーゼル車のオイル交換は5000km?10000km?交換時期を整備士が解説

 

ディーゼル車のオイル交換は5000km?10000km?交換時期を整備士が解説

「最近のディーゼル車はガソリン車よりオイル交換が早いと聞いたけれど、本当なのだろうか」。整備工場で働いていると、こうしたご質問を本当によくいただきます。

結論からお伝えすると、一概に「早い」「遅い」とは言い切れません。ディーゼルエンジンは燃焼の仕組みや、DPF(排出ガス浄化装置)の働きによって、オイルにかかる負担そのものがガソリンエンジンとは異なるためです。距離だけを比べても、なぜその数字になるのかが分からなければ、ご自身の車に本当に合った判断はできません。

この記事では、交換距離の目安をお伝えするだけでなく、ガソリン車とは何がどう違うのか、その違いが実際の交換時期の判断にどうつながるのか、そしてエンジンを長持ちさせるためのポイントまで、できるだけ分かりやすく詳しく解説していきます。

この記事で分かること

  • ディーゼルエンジンがガソリンエンジンとオイル交換の考え方において何が違うのか、その理由となる燃焼の仕組みやDPFの働き
  • ディーゼル車のオイル交換時期は何kmが目安になるのか
  • オイルがすぐ黒くなって汚れ具合が分かりにくい理由と、メーカー推奨距離での交換で問題ないのか
  • 街乗りや高速走行といった使い方による交換時期の違い
  • 交換を先延ばしにした場合に実際どのような故障につながるのか
  • オイル選びで確認しておきたいポイント
  • 交換費用のおおよその目安

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンのオイルの違い

ディーゼルエンジンとガソリンエンジンでは、燃料の燃やし方そのものが異なります。ディーゼルエンジンは軽油を高圧で圧縮し、自己着火させることで動いていますが、この燃焼の過程でどうしてもガソリンエンジンよりも煤(すす)が多く発生します。この煤の一部が、ピストンとシリンダーの隙間を通ってオイルの中に混ざり込んでしまうのです。

オイルの中に煤が増えていくと、オイル自体の粘度が変化したり、潤滑性能が落ちたりします。これがディーゼルエンジンのオイルが「ガソリン車より汚れやすい」と言われる大きな理由です。もちろん近年のディーゼル車は排出ガス対策が進み、以前のディーゼル車と比べればオイルの汚れ方はかなり改善されています。それでも、構造的にガソリンエンジンよりオイルへの負担が大きいことは変わりません。

また、ディーゼル車の多くにはDPF(粒子状物質減少装置)という排出ガス浄化装置が搭載されています。このDPFに溜まった煤を燃やして除去する「DPF再生」という作業が定期的に行われるのですが、この際に燃料の一部がオイルに混入してオイルが薄まる、いわゆる燃料希釈が起こります。これもディーゼルエンジン特有の現象として、オイル管理を考えるうえで知っておいていください。

ここまでの内容を整理する意味も込めて、ガソリン車とディーゼル車のオイルの違いを表にまとめました。

項目 ディーゼル車 ガソリン車
オイルが黒くなる速さ 非常に早い(交換直後から黒っぽくなることも) 比較的ゆっくり
すすの発生量 多い 少ない
燃料希釈(オイルが薄まる現象) DPF再生時に起こることがある 基本的に少ない
DPF(排出ガス浄化装置) 搭載されていることが多い 搭載されていない
オイル交換時期の傾向 車種や使い方によっては早めになる場合がある 比較的長めのサイクルで案内されることが多い

この表はあくまで一般的な傾向を整理したものです。近年は排出ガス対策技術の進化により、ディーゼル車でもオイルへの負担がかなり軽減されてきています。車種や年式によって実際の差は変わってきますので、参考としてご覧いただければと思います。

もう一つ、意外と知られていないのが、ディーゼルエンジンの排出ガス対策技術の進化とオイルへの影響の関係です。EGR(排気ガス再循環装置)を搭載した車両では、排気ガスの一部を吸気側に戻すことで燃焼温度を下げ、窒素酸化物の発生を抑えていますが、この仕組みによってもエンジン内部にすすが発生しやすくなることがあります。近年はこれらの装置と合わせて、SCR(選択触媒還元)システムなど、さらに高度な排出ガス対策が組み合わされている車種も増えており、エンジンの世代によってオイルにかかる負担は変わってきています。古い年式のディーゼル車と最新のディーゼル車とでは、同じ「ディーゼルエンジン」という括りであっても、オイル管理の考え方が異なる場合があるということも、頭の片隅に置いていただければと思います。

ディーゼル車のオイルは交換直後でも黒い?

「オイル交換をしたばかりなのに、もう真っ黒になっている」というご相談を、これまで数えきれないほどいただいてきました。オイルレベルゲージを抜いてみたら真っ黒で驚いた、という経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。私も初めは驚きました。

結論からお伝えすると、ディーゼルエンジンのオイルは、ガソリンエンジンと違って、交換したばかりでも比較的早い段階で黒く変色してしまうことがあります。これは先ほどお伝えした通り、燃焼の過程で発生する煤がオイルに混ざり込むためで、ある程度は正常な現象です。真っ黒だからといって、必ずしも劣化が進んでいる、汚れがひどい、というわけではありません。

そのため「色が黒い=汚れていて交換が必要」とは判断できないのが、ディーゼル車特有の難しさです。色だけを頼りに交換時期を判断しようとすると、まだ使えるオイルを早く交換しすぎてしまったり、逆に本当に劣化しているのに見た目だけで大丈夫だと思い込んでしまったりする可能性があります。色はあくまで参考情報の一つとして捉えていただき、後ほどお伝えする距離や期間を基準にした管理を優先していただくことをおすすめします。

ただし、黒さに加えて、極端にドロっとした粘り気がある、シャバシャバとした水っぽさがある、焦げたようなにおいがするといった変化がある場合は、単なる煤による変色ではなく、劣化や燃料希釈のサインである可能性があります。色そのものよりも、粘度やにおいといった別の要素もあわせて確認していただくと、より判断しやすくなります。

ディーゼル車のオイル交換時期は何kmが目安?

「ディーゼル車のオイル交換は何キロごとにすればいいのか」「交換の頻度はどれくらいが適切なのか」というご質問は、整備の現場でも非常によく聞かれます。ディーゼル乗用車のオイル交換距離については、メーカーやオイルの種類によって案内されている数字に幅があります。よく目にする目安としては、5000kmから10000km程度で交換を案内しているケースが多い印象です。一方で、高性能な化学合成油を使用し、なおかつ高速走行が中心といった条件が揃えば、15000km前後まで交換サイクルを延ばせるとしているメーカーの案内も見かけます。

距離だけでなく、何ヶ月ごとに交換すべきかという期間の目安もあわせて確認しておく必要があります。多くのメーカーでは「〇〇km、または〇ヶ月のいずれか早い方」という形で交換時期を案内しており、半年から1年程度を目安としていることが一般的です。あまり車に乗らない方の場合、走行距離が少なくても、期間の経過によってオイルは劣化していきますので、距離だけを基準にせず、期間の目安も意識してください。

ただし、ここで大切なことをお伝えします。それは、お乗りの車両の取扱説明書やメンテナンスノートに記載されている、メーカー指定の交換時期を必ず確認していただきたいということです。同じディーゼルエンジンでも、車種、年式、グレード、使用しているオイルの規格によって指定距離は変わってきます。インターネット上の一般論だけを鵜呑みにするのではなく、ご自身の車の指定値を基準にすることが、確実な方法だと私は考えています。

私自身、整備の現場でお客様の車検証や整備記録簿を拝見する際は、まず取扱説明書に記載された指定距離を確認するところから始めます。この記事でお伝えする数字は、あくまで一般的な目安としてご理解いただければと思います。

メーカー別のオイル交換目安

よくメーカーごとの交換距離を一覧で知りたいというご質問をいただきますので、代表的な傾向を表にまとめました。多くのメーカーで、走行距離と期間のどちらか早い方を基準に、通常の使用条件とシビアコンディション(悪路走行や短距離走行の繰り返しが多いなど、エンジンに負担がかかりやすい使用条件)の2パターンで交換時期が案内されています。

メーカー 通常時の目安 シビアコンディション時の目安
トヨタ 10,000kmまたは12ヶ月 5,000kmまたは6ヶ月
マツダ(SKYACTIV-D) 10,000km前後(排気量や年式で20,000km程度まで幅あり) 5,000km前後
三菱 10,000km前後 5,000km前後
日産 10,000km前後(車種によりメーター内で自動告知される場合あり) 5,000km前後

この表はあくまで代表例です。車種、年式、グレード、エンジン型式によって実際の指定は異なります。また「シビアコンディション」の具体的な条件も、メーカーや車種によって細かい違いがあります。正確な交換時期は、必ずお乗りの車両の取扱説明書、またはメンテナンスノートでご確認いただくようお願いします。

ディーゼル車は乗り方でオイル交換時期が変わる?

同じ車種であっても、実際にどのようにオイルが汚れていくかは、日々の使い方によってかなり違ってきます。ここでは代表的なケースをいくつかご紹介します。

まず、街乗りが中心で、信号待ちや渋滞でのアイドリングが多い使い方です。エンジンが十分に温まりきらないうちに停止と始動を繰り返す状況は、オイルへの負担が大きくなります。エンジンが冷えた状態からの始動は、オイルが本来の潤滑性能を発揮するまでに時間がかかりますし、短い距離の走行を繰り返すと、DPF再生が完了しないまま次の走行に移ってしまうこともあります。こうした使い方をされている場合は、一般的な目安よりも早めの交換をしたほうがいいです。

反対に、高速道路を使った長距離走行が中心の場合は、エンジンがしっかり温まった状態で安定して回り続けるため、DPF再生もスムーズに進みやすく、オイルへの負担は比較的少ないです。長距離ドライバーの方や、通勤で高速道路を頻繁に使う方であれば、メーカー指定の範囲内でも長めのサイクルで運用できている方が多い印象です。

そのほか、寒冷地での使用や、荷物を多く積んで走ることが多い商用的な使い方、エンジンブレーキを多用する山道の走行なども、オイルの劣化速度に影響を与える原因です。ご自身の使い方がどのパターンに近いかを振り返っていただくことが、交換時期を判断するうえで参考になると思います。

特に冬場の寒冷地では、オイル自体の粘度が低温で高くなり、始動直後の潤滑が行き渡るまでに時間がかかります。雪道での発進や停止を繰り返すような使い方をされている方は、通常よりもオイルへの負担が大きくなっている可能性があるという点も、意識しておいていただきたいと思います。

また、けん引をされる方や、荷台に重い荷物を積んで走ることが多い商用バンタイプのディーゼル車の場合、エンジンには常に高い負荷がかかった状態が続きます。負荷が高い状態での走行は、オイルの温度上昇や劣化の進行を早める傾向があるため、こうした使い方をされている方は、一般的な乗用車の目安よりもやや早めのサイクルで交換を検討していただくことをおすすめしています。

オイル交換しなかったことによる故障例

実際に整備の現場でどのような不具合につながったのか、これまで見てきた事例をいくつかご紹介します。特定の車両や個人を特定できる内容ではなく、あくまで傾向としてお伝えするものですが、参考にしていただければと思います。

一つ目は、ターボチャージャーの不具合です。ターボチャージャーは非常に高い回転数で動く部品で、内部のシャフトを支えるベアリング部分に常に安定したオイルの供給が必要です。オイル交換を長期間怠っていた車両では、劣化したオイルによってこのベアリング部分の潤滑が不十分になり、異音や異常な排気の発生につながったケースがありました。ターボの交換や修理は部品代・工賃ともに高額になりやすい箇所ですので、注意が必要です。

二つ目は、DPFの詰まりに関連するケースです。オイル管理が不十分な状態が続くと、燃焼状態が悪化してすすの発生量が増え、結果的にDPFへの負担が大きくなることがあります。DPFが完全に詰まってしまうと、部品の交換や洗浄が必要になることがあり、こちらも修理費用が高額になります。

三つ目は、エンジン内部のスラッジの蓄積です。先ほどもお伝えした通り、劣化したオイルが長期間循環し続けると、粘り気のある汚れがエンジン内部に蓄積していきます。この状態が進行すると、オイル交換を行っても新しいオイルがすぐに汚れてしまったり、油圧の警告灯が点灯したりすることがあり、エンジン内部の洗浄作業が必要になったケースもありました。

四つ目は、オイル量の増加を放置してしまったケースです。DPF再生時の燃料希釈が続くと、オイルの量そのものが規定より増えてしまうことがあります。オイルレベルゲージでの点検を怠り、この状態に気づかないまま走行を続けた結果、オイル希釈がさらに進行し、最終的にオイル交換に加えてエンジンの点検が必要になったこともあります。日頃からオイルレベルゲージでの確認を習慣にしていただくことが、こうした事態を未然に防ぐことにつながります。

いずれのケースにも共通して言えるのは、初期の段階で異変に気づき、早めに対処していれば、より軽い修理で済んでいた可能性が高いということです。オイル交換は地味な作業に思われがちですが、こうした重大なトラブルを未然に防ぐための、非常に重要なメンテナンスだと私は考えています。

 

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ディーゼル車のオイルは何を選べばいい?

ディーゼルエンジンには、専用に設計されたエンジンオイルを使用すること大事です。ガソリン用のオイルとディーゼル用のオイルでは、添加剤の配合が異なり、煤への対応力や耐熱性に違いがあるためです。

オイルを選ぶ際に確認してもらいたいのが、オイルのパッケージに記載されている規格表示です。日本国内の乗用ディーゼル車向けオイルでは、JASO(日本自動車技術会)が定める規格が広く使われており、代表的なものに「JASO DL-1」という分類があります。これはDPFを搭載した乗用ディーゼル車向けに設定された規格で、灰分の少ない「ロー・サップス」と呼ばれるタイプのオイルにあたり、DPFの目詰まりを防ぐことを目的としています。大型トラックなど商用車向けには「JASO DH-1」「JASO DH-2」といった別の規格が使われており、こちらは乗用車向けとは想定されている用途が異なりますので、混同しないよう注意が必要です。指定されている規格以外のオイルを使用すると、DPFの詰まりを早めてしまう可能性がありますので、必ず取扱説明書で指定規格を確認していただきたいと思います。

粘度についても、車種ごとに指定があります。0W-30や5W-30といった数字がそれにあたりますが、こちらも取扱説明書に記載された指定粘度を基準に選んでいただくのが確実です。カー用品店やインターネットの製品ページには豊富な種類のディーゼル用オイルが並んでいますので、ご自身の車の指定規格と粘度を確認したうえで、それに適合する製品を選んでいただければと思います。

 

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オイルの粘度や規格の選び方について、より詳しい成分の違いや、具体的にどのオイルが最適かといったご相談は、車種や使用状況によって答えが変わってきます。気になる場合は、お近くの整備工場やディーラーに実車を見せたうえで相談されることをおすすめします。

交換のタイミング

距離だけでなく、オイルの状態そのものからも交換時期を判断することができます。ここでは、ご自身でも確認しやすいサインをいくつかご紹介します。

まず、オイルレベルゲージを使ってオイルの色や粘り気を確認する方法です。新しいオイルは透明感のある琥珀色をしていますが、劣化が進むと黒っぽく濁ってきます。ただし、ディーゼルエンジンの場合は前述の通り、正常な状態でも早い段階で黒く見えることがありますので、色だけで判断しないという点は改めて意識しておいていただきたいと思います。

また、エンジン音がいつもより大きくなった、アイドリング時の振動が増えた、排気ガスの色がいつもと違うといった変化も、オイルの状態を含めたエンジンコンディションを見直すきっかけになります。こうした症状がある場合は、距離だけにとらわれず、早めに点検を受けていただくことをおすすめします。

正直なところ、色や粘度の見た目だけで劣化の程度を正確に判断するのは、専門知識がないと難しい面もあります。少しでも気になる変化があれば、自己判断だけで様子を見るのではなく、整備工場での点検を検討していただくのが安心です。

色による判断が難しいからこそ、ディーゼル車のオイル管理においては、見た目に頼らず、走行距離や経過期間といった客観的な基準で交換時期を管理していただくことが、結果的に一番確実な方法だと私は考えています。

オイル交換にかかる費用の目安

オイル交換の費用は、オイルの種類、交換量、依頼する店舗によって幅があります。カー用品店やガソリンスタンドでの交換であれば、鉱物油や部分合成油を使った場合でおおよそ5000円前後から、化学合成油を使った場合で8000円から15000円程度が一つの目安になることが多いです。ディーラーで交換する場合は、これよりやや高めの価格設定になっていることが一般的です。

ディーゼル車の場合、オイル量がガソリン車より多く設定されていることが多く、また指定オイルが高性能な化学合成油であるケースも多いため、ガソリン車と比べて交換費用がやや高くなる傾向があります。オイルフィルターも同時に交換する場合は、部品代として数千円程度が加算されます。

これらの金額はあくまで一般的な目安であり、地域や店舗、車種、その時々のオイル価格の変動によっても変わってきます。正確な費用については、お車の車種を伝えたうえで、店舗に直接お見積もりを依頼していただくのが確実です。

費用面で気になる方の中には、オイル交換の頻度を減らすことでコストを抑えたいというお気持ちの方もいらっしゃると思います。お気持ちはよく分かるのですが、オイル交換を先延ばしにした結果、エンジン内部のトラブルにつながってしまうと、修理費用はオイル交換の何倍、何十倍という金額になることも珍しくありません。長い目で見れば、指定された距離や時期でこまめにオイル交換を行っていただく方が、結果的に維持費を抑えることにつながるケースが多いというのが、これまで多くの車両を見てきた実感です。

オイル交換と合わせて確認しておきたい部分

オイル交換のタイミングは、他の消耗品の状態を一緒に確認できる良い機会でもあります。整備の現場では、オイル交換だけを単独で行うのではなく、周辺の部品もあわせてチェックすることをおすすめしています。

まず、オイルフィルターです。オイルフィルターはオイル中の不純物を取り除く役割を持っていますが、フィルター自体が目詰まりを起こすと、オイルの循環効率が落ちてしまいます。一般的にはオイル交換の際に毎回、もしくは2回に1回程度のペースで交換することが多いです。ディーゼル車は煤の量が多い分、フィルターへの負担も大きくなりがちですので、フィルターの状態もあわせて確認していただきたい部分です。

また、エアクリーナーの状態も燃焼効率に影響します。エアクリーナーが汚れていると、エンジンに取り込まれる空気の量が不足し、燃焼が不完全になりやすくなります。不完全燃焼はすすの発生量を増やし、結果的にオイルの汚れを早める要因にもなり得ます。

そのほか、バッテリーの状態や、冷却水(クーラント)の量と色、各種ベルト類の劣化具合なども、オイル交換のタイミングで一緒に点検してもらうと、車両全体のコンディションを効率よく把握することができます。整備工場によっては、オイル交換とあわせた無料点検を行っているところもありますので、活用されると良いかと思います。

自分でオイル交換をする場合の注意点

最近は工具を揃えて、ご自身でオイル交換をされる方も増えてきました。費用を抑えられるという点では魅力的ですが、ディーゼル車のオイル交換にはいくつか気をつけていただきたい点があります。

まず一番大切なのは、廃油の処理です。使用済みのエンジンオイルは、産業廃棄物として適切に処分する必要があり、家庭ごみとして出したり、そのまま地面に流したりすることは法律で禁止されています。カー用品店やガソリンスタンドでは廃油の引き取りを行っているところが多いので、ご自身で交換される場合は、事前に廃油の引き取り先を確認しておくことをおすすめします。

次に、オイルの量と規格の確認です。ディーゼルエンジンはガソリンエンジンよりもオイル量が多く設定されていることが多く、車種によっては6リットルから8リットル程度のオイルが必要になることもあります。取扱説明書に記載された規定量を守り、入れすぎ・入れなさすぎのどちらも避けていただく必要があります。オイル量が多すぎると、クランクシャフトがオイルをかき回すことでオイルに気泡が発生し、潤滑不良の原因になることがありますし、少なすぎれば当然、油圧不足による焼き付きのリスクが高まります。

また、ドレンボルトの締め付けトルクにも注意が必要です。オイルパンのネジ山は思っている以上にデリケートで、締めすぎるとネジ山を痛めてしまい、最悪の場合オイルパンごと交換が必要になることもあります。トルクレンチを使って、規定トルクで締め付けることを強くおすすめします。

ジャッキアップして車両の下に潜る作業になりますので、車両が動かないようにしっかりと輪止めをする、ジャッキスタンドを使って安全を確保するといった基本的な安全対策も忘れずに行っていただきたいと思います。作業に少しでも不安がある場合は、無理をせずプロに依頼していただくのが安心です。

 

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Q&A

Q. ディーゼル車のオイル交換を忘れて指定距離を大きく超えてしまいました。どうすればいいですか。

A. まずはできるだけ早くオイル交換を行っていただくことをおすすめします。あわせて、エンジン音の変化や白煙・黒煙の有無、オイル消費量など、エンジンの状態に異常がないかも確認していただくと安心です。長期間放置してしまった場合は、交換だけでなく点検もあわせて依頼されることをおすすめします。

Q. ガソリン用のオイルを間違えてディーゼル車に入れてしまったら、どうなりますか。

A. 添加剤の配合が異なるため、本来期待される潤滑性能や煤への対応力が得られない可能性があります。特にDPFを搭載した車両では、ガソリン用オイルの使用がDPFの目詰まりにつながる可能性も否定できません。誤って給油してしまった場合は、できるだけ早く正規のディーゼル用オイルに交換することをおすすめします。

Q. オイル交換の距離を延ばすために、添加剤を使うのは効果がありますか。

A. 添加剤にも様々な種類があり、それぞれ期待される効果が異なります。特定の添加剤がどの程度交換サイクルの延長に寄与するかについては、車種や使用環境による差が大きく、この記事の範囲では明確にお答えすることができません。添加剤に頼るよりも、まずは指定された交換距離を守っていただくことを基本としてお考えいただくことをおすすめします。

Q. 中古で購入したディーゼル車で、前オーナーの整備履歴が分かりません。どう対応すればいいですか。

A. 整備履歴が不明な場合は、購入後早めにオイル交換を行っていただくことをおすすめします。あわせて、オイルフィルターの交換や、エンジン全体の点検もこのタイミングで一緒に行っておくと、その後の状態を把握しやすくなります。整備工場で相談される際に、履歴が不明である旨を伝えていただくとスムーズです。

Q. オイルレベルゲージで確認したら、オイルの量が減っていました。継ぎ足しでも大丈夫ですか。

A. 減っている量がわずかであれば、同規格のオイルを継ぎ足していただくこと自体は問題ないことが多いです。ただし、継ぎ足しを繰り返している場合や、明らかに減りが早い場合は、オイル漏れや、燃焼室内でオイルが燃えてしまうオイル上がり・オイル下がりといった不具合が隠れている可能性もあります。減りが早いと感じる場合は、継ぎ足しだけで済ませず、一度点検を受けていただくことをおすすめします。

Q. オイルがすぐ黒くなって汚れ具合が分かりません。それでもメーカー推奨距離での交換で大丈夫ですか。

A. はい、基本的にはメーカーが指定する交換距離・交換時期を守っていただければ問題ありません。ディーゼルエンジンのオイルは煤の影響で早い段階から黒く見えるため、色だけで劣化具合を判断するのは難しく、色が黒いからといって推奨距離より前倒しで交換する必要は必ずしもありません。逆に、色がまだ薄いように見えても、指定距離を超えて使い続けることはおすすめできません。メーカーの推奨距離は、通常想定される使用条件をもとに設定されているものですので、これを基準にしていただくのが最も確実です。ただし、短距離走行やアイドリングが多いなど、厳しい使用条件に該当する場合は、取扱説明書に「シビアコンディション」として、より短い交換サイクルが案内されていることもありますので、あわせて確認していただくことをおすすめします。

まとめ

ディーゼルエンジンのオイル交換距離は、ガソリンエンジンと比べて煤の発生やDPF再生といった構造的な特徴の影響を受けやすく、一律に「この距離で大丈夫」と言い切れるものではありません。一般的な目安としては5000kmから10000km程度で案内されることが多いですが、まず何よりも優先していただきたいのは、お乗りの車両の取扱説明書に記載された指定距離を確認することです。

そのうえで、街乗り中心か高速走行中心かといったご自身の使い方や、オイルの色・エンジン音の変化といったサインも踏まえながら、交換時期を判断していただければと思います。少しでも不安や疑問がある場合は、自己判断だけで済ませず、お近くの整備工場に実車を見せて相談していただくのが、結果的に一番安心で確実な方法だと思います。

ディーゼルエンジンは、正しくメンテナンスを行っていただければ、耐久性が高く長く乗り続けられるエンジンでもあります。オイル交換はその中でも基本中の基本と言える作業ですが、基本だからこそ、日々の積み重ねが将来のエンジンの状態を大きく左右します。この記事でお伝えした内容を参考にしていただきながら、ご自身の車の取扱説明書と実際の使い方の両方を照らし合わせて、無理のない交換サイクルを見つけていただければと思います。

大切なエンジンを長く元気に使い続けていただくために、この記事が少しでもお役に立てば嬉しく思います。

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